2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

京都の壁

養老孟司『京都の壁』PHP、2017 養老孟司の京都本。しかしこればくだらない。 養老孟司は、京都国際マンガミュージアムの館長をしていたので、月1で京都に来ていた。そこでこの本を書いたということなのだが、まあ、ツッコミが浅い。 まず京都を美化しすぎ…

男おひとりさま道

上野千鶴子『男おひとりさま道』文春文庫、2012 上野千鶴子の「男のための老後」本。おもしろかった。 高齢化となると、だいたい自分がひとりになる。子供はいないし、妻(夫)に先立たれる可能性も大きい。死別、離別、独身のどれかを問わず、結局は自分ひ…

底辺への競争

山田昌弘『底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路』朝日新聞出版、2017 山田昌弘の新著。あいかわらず非常におもしろい。 バブル以来、30年間の日本の変化をまとめた本だが、それが「底辺への競争」つまり、蜘蛛の糸状態だという話。 日本社会は、バブル…

月光の囁き 1-6

喜国雅彦『月光の囁き』1-6、1995-1997 こっちが原作。6巻本である。一読して、やはりよくできていることは確かなのだが、映画のほうが自分としては好き。 こちらは、まず絵柄でひっかかってしまった。沙月は美少女なので(もちろん、そのように描かれてはい…

おじさんメモリアル

鈴木涼美『おじさんメモリアル』扶桑社、2017 非常に不快な本。著者は、元日経新聞記者、現在はライター。記者時代にAV出演を暴露された人。 内容は、著者が中学生、高校生、大学生、記者、その後(この間にキャバ嬢、AV女優を経験)のそれぞれの時期に、出…

復讐手帖

亀山早苗『復讐手帖 愛が狂気に変わるとき』扶桑社、2017 これは怖い本。恋愛関係で裏切られた女がどのようにして男に復讐したかというエピソード集。ちょっと笑える話もあるが、そんなほっこり話は少なく、大半は、背筋が寒くなるようなレベルの話ばかり。 …

言ってはいけない─残酷すぎる真実─

橘玲『言ってはいけない─残酷すぎる真実─』新潮新書、2016 安藤寿康の本がおもしろかったので、こちらも読んでみたが、おもしろかった。しかし、この本、行動遺伝学の部分は、安藤寿康の本をまとめていると書いている。それだったら、元ネタにされた安藤寿康…

日本人の9割が知らない遺伝の真実

安藤寿康『日本人の9割が知らない遺伝の真実』SB新書、2016 これは非常におもしろかった。知能、性格などに対する遺伝の影響について論じた本。著者は慶應義塾大学教授(行動遺伝学、教育心理学)。 著者が使っている方法は、「双生児調査」。一卵性双生児と…

関西人の正体

井上章一『関西人の正体』朝日新聞出版、2016 これはかなり笑えた本。朝日文庫に入ったのはは2016年だが、小学館文庫から2003年に出た。単行本の発行はわからないが、元の連載は1996年くらい。 ほとんど全部が、「関西」のコンプレックスを正直に出したもの…

フランス現代史 隠された記憶

宮川裕章『フランス現代史 隠された記憶』ちくま新書、2017 著者は、毎日新聞記者。この本は、フランスの「戦後史」。ネタは、第一次大戦、第二次大戦、アルジェリア戦争。 第一次大戦は、「不発弾」と「遺骨」。砲弾が限られた地域に集中的に打ち込まれたの…

性風俗のいびつな現場

坂爪真吾『性風俗のいびつな現場』ちくま新書、2016 風俗サービス業のルポだが、この本は、地雷、障害者、妊婦・母乳専門、熟女などの特殊な風俗業を扱っているのがめずらしい。 著者の論旨は、こういう種類の風俗(最底辺)にいる風俗嬢は、基本的にいろい…

ボディヒート/3人目の美少女

「ボディヒート/3人目の美少女」ジェイミー・プレスリー、ミーガン・エドワーズほか出演、カート・ヴォス監督、アメリカ、1997 たまたまやっていたので見てしまったが、この主役のジェイミー・プレスリー、けっこうかわいくてスタイルよし。この体でどんどん…

図解詳説 幕末・戊辰戦争

金子常規『図解詳説 幕末・戊辰戦争』中公文庫、2017 著者は、1916年生まれ、2000年没。陸士49期、後に自衛隊に入り、富士学校特科副部長などを務め、退役後は文筆生活に入った人。『兵器と戦術の世界史』は読んだが、こっちは幕末・戊辰戦争の本。 18世紀末…

北条時宗 総集編 前編

「北条時宗 総集編」前編、「兄弟」 ひさびさに見た。しかしこれはつまらない。 高橋克彦の原作がダメなのか、井上由美子の脚本がダメなのか、どっちかはわからないが、話の組み立てがダメ。現代で「元寇」を取り上げるのだから、配慮が必要なのは仕方がない…

花子とアン 第3週

「花子とアン」第3週、「初恋パルピテーション」 花子の初恋、というよりは女学校のラブライフの話。女学校は16歳か17歳で結婚か、婚約することは普通なので、学校の途中でもいい縁談があれば、どんどん脱落する。 みんなの目当ては当然帝大生。それも見た目…

変わりゆくマンガと社会

「変わりゆくマンガと社会 ~ネット・実写化・聖地巡礼~」表智之、広島市まんが図書館、2017.10.14 これは講演会。講演者は、北九州市漫画ミュージアム専門研究員。 内容は、マンガ表現とマンガ業界のおかれた現状みたいなこと。実写化、表現の多様性、ネッ…

男はつらいよ 噂の寅次郎

「男はつらいよ 噂の寅次郎」渥美清、大原麗子ほか出演、山田洋次監督、松竹、1978 これは昔見たのか見ていないのか、記憶が曖昧。だいたいこの頃までが「男はつらいよ」シリーズを見ていた限界。「ハイビスカスの花」とか、佳作とされるものは見ているが。 …

帰ってきたウルトラマン 6話

「帰ってきたウルトラマン」6話、「決戦!怪獣対マット」 ウルトラマンはあっさり撤収。郷秀樹はひっくり返っていたところをマットに拾われるのだが、アキは重傷で助け出されて入院。病室に郷と坂田が見守っているところに、南と上野が来た。上野はマットに…

帰ってきたウルトラマン 5話

「帰ってきたウルトラマン」5話、「二大怪獣東京を襲撃」 帰ってきたウルトラマン、非常にひさしぶりに見た。この5話と6話から自分はこの作品を見始めたので、思い出の深い作品。 この話、上原正三脚本だが、今見ると、変なところだらけ。 ツインテールの卵…

東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる

兵藤二十八『東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる』講談社、2017 時節柄、過激なタイトルが売れるのだが、そういうものなので、しかたがなし。というより、こういうことも実際にあり得ることなので、タイムリーといえばいえる。 この本…

藤森照信展

「藤森照信展 自然を生かした建築と路上観察」広島市現代美術館、2017.10.8 現代美術館で9月29日から始まった展覧会。これはけっこう楽しみにしていったら、やっぱりおもしろい。 建築史家で建築家。しかし、建築を実際にはじめたのは44歳から。まあ歴史家は…

月光の囁き

「月光の囁き」、つぐみ、水橋研二ほか出演、塩田明彦監督、日活、1999 これは傑作。今までちょっとだけ見て、時間の都合で先延ばしにしていたが、本当にもったいないことだった。 中身は高校生SM。最初は普通の青春恋愛ものに見せているが、ほどなく水橋研…

花子とアン 第1週、第2週

「花子とアン」第1週「花子と呼んでくりょう!」、第2週「エーゴってなんずら?」 NHKの朝ドラ再放送で、「花子とアン」が始まったので、見てしまった。これはおもしろい。 この最初の2週は子役が演じているのだが、山梨のド田舎の汚い娘が神童として東京の…

猿面冠者

太宰治「猿面冠者」1934 これも太宰治の最初の短編集の作品。こっちは、新人作家というか、太宰ご本人が青森でウダウダしていたときの話。 頭はよく、プライドは非常に高く、英作文の出来で、英人教師に褒められ、クラスメートからは羨望されていたという主…

おそ松さん 第2期 1話

「おそ松さん」第2期、1話 おそ松さん、あれだけ人気あったから次が作られて当然だが、やっぱりできた。第1期は、せっかく1話を録画していながら、元ネタがよくわからないという理由で消してしまった。1話は著作権問題で、再放送もソフト化もしないことにな…

わろてんか 1話

「わろてんか」1話、NHK総合、2017.10.2 NHKの新しい朝ドラ。とりあえず第1週の1話を見た。オリジナル作品で、主人公のモデルは吉本せい。これを葵わかなという女優が演じるのだが、今週は第1週なので、まだ子役。子役は、新井美羽で、この人は「おんな城主 …

新国立劇場 神々の黄昏

ワーグナー「神々の黄昏」、2017.10.2 新国立劇場 【指揮】飯守泰次郎 【演出】ゲッツ・フリードリヒ 【ジークフリート】ステファン・グールド 【ブリュンヒルデ】ペトラ・ラング 【アルベリヒ】島村武男 【グンター】アントン・ケレミチェフ 【ハーゲン】ア…

サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで

「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」国立新美術館、2017.10.1 国立新美術館の今の展覧会、これはもう1度見ていて、本当は安藤忠雄の展覧会を見ようかとも思ったが、こっちも見るものはたくさんある(ありすぎ)のと、あまり時間…

リベラルという病

山口真由『リベラルとという病』新潮新書、2017 著者は、元財務官僚、現在弁護士という方。電子版で買ったので、著者紹介のページがない。しかし、ハーバードのロースクールに行き、そこでアメリカの最高裁の保守対リベラルの対立について書いているという本…