2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム

溝口敦、荒井香織(編)『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム』宝島社、2013 たまたまこういう本が出版されているのを知って、Amazonで買ったのだが、ひっくり返るほど驚いた。佐野眞一の仕事は盗用だらけ。週刊朝日の差別ネタだけが…

マンガで読む 嘘つき中国共産党

辣椒『マンガで読む 嘘つき中国共産党』新潮社、2017 タイトルだけ見た時は読まないでいいと思っていたが、よく読まれていて比較的まじめなものだと聞いたので読んでみた。内容は、中国の「反体制運動家」の主張。 著者はマンガ家なので、巻末の対談以外はす…

日本の安全保障

加藤朗『日本の安全保障』ちくま新書、2016 これは完全に頭がおかしい本。加藤朗は、前から変な人だと思っていたが、この人が書いた本は読むだけムダだと確信した。 中江兆民『三酔人経綸問答』を引用して、「安倍政権の安保政策は豪傑君、護憲派は洋学紳士…

日本共産党大研究

栗原直樹『日本共産党大研究 「躍進」と「不都合な過去」』青志社、2016 最近よくある共産党本。著者は1975年生まれ、中央大学経済学部卒、元衆院議員第一秘書とあるが、誰の秘書だったのかが書いていない。ほかに田中角栄などについての著者がある。 内容は…

反知性主義

森本あんり『反知性主義─アメリカが生んだ「熱病」の正体』新潮社、2015 以前から読もうと思っていて、放置していた本。しかし、これは本当におもしろい。 よくわかったのは、ホフスタッターが反知性主義anti-intellecturalismと言ったことは、単に論敵をバ…

ねこもくわない

カレー沢薫『ねこもくわない』日本文芸社、2016 カレー沢薫の、『漫画ゴラク』での連載を本にしたもの。しかしこのマンガ、巻末にあるはずの、奥付がない。いつ出版されたのかわからない。ネットで調べたけど。 しかも、漫画ゴラクの何年何月からいつまで連…

中年女子画報 44年目の春

柘植文『中年女子画報 44年目の春』竹書房、2017 このシリーズの2冊目。著者のおもしろ取材ネタを描いたコミックエッセイ。 読んでいておもうのは、著者はヒマをじょうずに潰せる人。健康ランドで大衆演劇を見るという回は、朝10時に川越の健康ランドに行き…

ぼくらのSEX

橋本治『ぼくらのSEX』集英社文庫、1995 橋本治の「性教育」本。さすがは橋本治で、小学生から大人まで、全年齢で誰が読んでも大丈夫なように書かれている。小学生だと全部はわからないだろうが、それでも一部はわかるだろう。中学生以後は、だいたいわかる…

ルポ トランプ王国─もう一つのアメリカを行く

金成隆一『ルポ トランプ王国──もう一つのアメリカを行く』岩波新書、2017 先週出た本。著者は朝日新聞記者。アメリカ大統領選挙の本だが、ほぼ全部が、トランプが勝った「ラストベルト」、オハイオ州の取材レポート。 選挙戦の初期の時点で、たまたま会った…

陰謀史観

秦郁彦『陰謀史観』新潮新書、2012 歴史、特に日米関係についての陰謀論の本。著者は陰謀論と実際に戦っている人なので、内容は確実。 戦前の陰謀論から、現在のものまで幅広く扱っている。戦前の陰謀論(日米必戦論など)についてはほとんどわかっていなか…

「純喫茶のヲ愉しみ」

「純喫茶のヲ愉しみ」、ヲルガン座、2017.2.19 二部構成のイベント。前半は、喫茶店ネタの音楽を店主で歌手のゴトウイズミとアコーディオンの人が演奏する。後半は、喫茶店ヲタクの難波里奈によるトークショー。 前半は、それなりの雰囲気のある音楽でよかっ…

広島ジャンゴ

「広島ジャンゴ」、演劇引力廣島第14回プロデュース公演、作・演出 蓬莱竜太、アステールプラザ、2017.2.18 蓬莱竜太が、広島に出張して行う3年プロジェクトの2年目の作品がこれ。内容は・・・微妙。 カキ打ち工場のパート、山本(熊谷弥香)が飲み会に来な…

ドキュメント72時間 横須賀 軍艦の見える公園で

「ドキュメント72時間」、「横須賀 軍艦の見える公園で」、NHK総合、2017.2.17 横須賀の港にある公園。ここは米海軍の埠頭と海上自衛隊の埠頭が一望できるところ。全部丸見え。空母レーガンはいなかった。 やたらと若い奥さんとのセックスを自慢する爺とか、…

ドキュメント24時間 別府 百年の温泉で

「ドキュメント24時間」、「別府 百年の温泉で」、NHK総合、2017.2.10 別府の共同浴場「竹瓦温泉」のロケ。まあ有名スポット。浴槽は、そんなに大きくはなく、10人入るのは無理。 ここ、建物の裏は風俗街。ヘルスやキャバクラだらけ。道後温泉も似たようなも…

ニァイズ

カレー沢薫『ニァイズ 東京都写真美術館ニュース別冊~「クレムリン」出張版』講談社、2016 東京都写真美術館のPR誌に、カレー沢薫が、『クレムリン』の登場キャラを使って連載していたコミックエッセイ。内容は当然写真美術館の宣伝。しかしこれはおもしろ…

むだ死にしない技術

堀江貴文、予防医療普及協会『むだ死にしない技術』マガジンハウス、2016 予防医療についての本。堀江貴文と予防医療普及協会の共著という形式になっているが、この団体も堀江貴文が立ち上げたもの。こちらは専門家が入っているので、堀江貴文自身が医療専門…

医学の勝利が国家を滅ぼす

里見清一『医学の勝利が国家を滅ぼす』新潮新書、2016 主に医療コストの問題を扱った本。対象は薬価。新薬がどんどん開発されていて、そのコストは従来の薬価より100倍、1000倍というレベルになっている。それが保険で支払われ、日本には高額医療費制度があ…

ティーパーティーの謎

E.L.カニグズバーグ(金原瑞人、小島希里訳)『ティーパーティーの謎』岩波少年文庫、2005 カニグズバーグは、子供の頃に『クローディアの秘密』を読んでいただけだが、当然ほかにも本は出ていて、これは1996年に原著が出ていたもの。 6年生の子供4人が学校…

60分で名著快読 クラウゼヴィッツ『戦争論』

川村康之『60分で名著快読 クラウゼヴィッツ『戦争論』』日経ビジネス人文庫、2014 2004年にナツメ社から出た『図解雑学 クラウゼヴィッツの戦争論』の文庫化したもの。元の版はタイトルで非常に損をしていて、程度の低い本のように見られているが、この版も…

太平洋戦争のif

秦郁彦編『太平洋戦争のif 絶対不敗は可能だったか?』中公文庫、2010 これは文庫が2010年となっているが、もとは2001年ごろに(時期不明)グラフ社から単行本として出ており、その元になった雑誌連載は1985年に掲載された。1985年くらいなら、この程度の妄…

ねほりんぱほりん 「地下アイドル」特集(後編)

「ねほりんぱほりん」、「地下アイドル」特集(後編)、NHKEテレ、2017.2.8 先週の前編の続き。今回は、「地下アイドルの恋愛事情」。スタジオゲストは、引き続き、サクラ(23歳)、エリカ(26歳)、ヒナ(年齢非公開)の3人。 客と個人で会わないとライブに…

ねほりんぱほりん 「地下アイドル」がディープすぎる世界を赤裸々に告白(前編)

「ねほりんぱほりん」、「地下アイドル」がディープすぎる世界を赤裸々に告白!(前編)、NHKEテレ、2017.2.1 今年最初のの新作回。「地下アイドル」で、前後編。 最初に、吉田豪が簡単にコメントし、その後3人の地下アイドルが登場。23歳のサクラ、26歳のエ…

アンモラル・カスタマイズZ

カレー沢薫『アンモラル・カスタマイズZ』太田出版、2012 これは、『ブスの本懐』の元になった連載が、本来このマンガの販促のためのコラムだったという事情があったので、ではネタ元のマンガも読んでみようということでトライ。おもしろい。 ホモと童貞(っ…

アメリカの大学の裏側

アキ・ロバーツ、竹内洋『アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?』朝日新書、2017 親子の共著本。アキ・ロバーツは竹内洋の娘で、ウィスコンシン大学准教授。専門は犯罪学、統計社会学。 アメリカの大学制度を学生側からではなく、教員側…

おんな城主 直虎 #5

「おんな城主 直虎」 #5 「亀之丞帰る」 小野政直は、自分の息子の正次(鶴)を井伊家親族の奥山の娘と娶せて、井伊家の養子として後継させるという案を出す。亀之丞が逃げてからもう10年になるので、直盛はそれもやむを得ないと考えている。 政直は、言い出…

バイトのコーメイくん 1-3

カレー沢薫『バイトのコーメイくん』1-3、講談社、2013-15 カレー沢薫の、「世界初のコンビニ三国志まんが」。これはおもしろい。 あいかわらず、登場人物の半分くらいは動物。しかし、このマンガ、バイトのコーメイくんが、客の月英に惚れるという恋愛もの…

ドキュメント72時間 金券ショップでつかむ幸せは

「ドキュメント72時間」、「金券ショップでつかむ幸せは」、NHK総合、2017.2.3 これは2015年2月6日放送回の再放送。見たことはないので問題なし。 ロケ地は、池袋地下街の金券ショップ。場所が東武池袋駅のすぐ近くで、客はとにかく多い。値引きは切手1円、…

もう一度読む山川世界史

「世界の歴史」編集委員会『もう一度読む世界の歴史』山川出版社、2009 山川の世界史教科書を再編集して一般向けに短くした本。山川の「詳説世界史B」よりはかなりページが少ない。あと、読みやすいように「コラム」を増やしている。 山川の世界史教科書その…

ドキュメント72時間 宮崎 路上ピアノが奏でる音は

「ドキュメント72時間」、「宮崎 路上ピアノが奏でる音は」、NHK総合、2017.1.27 宮崎市の中心部にあるビル=美術館の中(オープンスペース)においてある路上ピアノの回。青いペンキで塗られていて、安い感じ。路上に高いピアノを置きっぱなしはないだろう…

待てあわてるなこれは孔明の罠だ

原寅彦、横山光輝『待てあわてるなこれは孔明の罠だ 横山光輝三国志名言名場面200選』宝島社、2014 このタイトルで検索すると、この本がヒット。こんなものが出ていたとは知らなかったわ。横山三国志の場面を切り取って、解説をつけた本。「あのシーンが読み…