男はつらいよ 噂の寅次郎

男はつらいよ 噂の寅次郎」渥美清大原麗子ほか出演、山田洋次監督、松竹、1978


これは昔見たのか見ていないのか、記憶が曖昧。だいたいこの頃までが「男はつらいよ」シリーズを見ていた限界。「ハイビスカスの花」とか、佳作とされるものは見ているが。

この話では、大原麗子がマドンナだが、美人で可愛げがあり、非常にいい。雑居時代からこのくらいまでが大原麗子ブイブイ言わせていた。大原麗子を結局持っていってしまうのは室田日出男。これがさすが。まだ悪役が多かった頃だろうと思うが、実直で自分からはモノを簡単に言わないような男。

この映画は、志村喬泉ピン子も出てくる。志村喬はさすが。これが「男はつらいよ」シリーズの最後で、寅と偶然旅先で知り合い、呼びたくもない芸者を呼んで、自分の財布を持っていかれたりしている。しかし、寅には、「今昔物語集」のお話、美人に惚れて一緒になった男が、妻の死後も忘れられず、棺を掘り出して腐った妻の体を見て、無常を感じて出家するという話をする。この話が、今回の映画の柱になっている。大原麗子は、室田日出男といっしょになった後で死んじゃったのかどうか。

泉ピン子は、若いし、元気があるし、うまい。もうこの頃は「テレビ三面記事」のイメージが抜けてくるくらいの時期?振られた寅を救うのは、ピン子の笑顔。

この話は、十分おもしろい。これくらいだと半年に一回でもそんなに苦にならないかもしれない。