2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

硫黄島からの手紙

「硫黄島からの手紙」、渡辺謙、二宮和也、伊原剛志主演、クリント・イーストウッド監督、アメリカ、2006 チケットももっていて早く行かねばと思っていたところ、終了まぎわになってやっと見にいけた。映画としてはまあまあか。しかし2時間余り、ほとんど退屈…

プーチンのロシア 法独裁への道

袴田茂樹『プーチンのロシア 法独裁への道』、NTT出版、2000 プーチン政権成立当初に書かれたプーチン政権とロシア政治の解説本。時期的に今読むのに適当な本ではないのだが、事情があって読んでみることになった。袴田の持論として、ロシア社会は「バザール…

嫌われ松子の一年

中谷美紀『嫌われ松子の一年』、ぴあ、2006 「嫌われ松子の一生」の撮影日記。タイトルには「一年」とあるが、実際の撮影(日記がつけてある期間)は、ほぼ三ヶ月。映画の公開に合わせて発刊されているから、映画のPRの一部だったのだろう。しかし中谷美紀は…

逃亡日記

吾妻ひでお『逃亡日記』、日本文芸社、2007 吾妻ひでおの新刊。といってもマンガ部分はほとんどなくて、インタビュー形式で失踪やアル中の経緯や、漫画家になるまで、なってから、の人生が淡々とつづられている。ほぼ自叙伝。前書きと後書き部分だけがまんが…

だぁれも知らない

中谷美紀『だぁれも知らない』、小学館、2002 中谷美紀の絵本。絵は中谷自身が描いているのだが、具体的なものを描いたものはひとつもない。しかしこの絵本の内容にはぴったりはまっていると思う。ストーリーは、ホームレスの婆とそれを見ている子供の話で、…

ライトノベル「超」入門

新城カズマ『ライトノベル「超」入門』、ソフトバンク新書、2006 ライトノベルをほとんど、まったく読んだことのない人向けのライトノベル入門書。ライトノベル各作品の紹介や書評といったことよりも、ライトノベルの概念、歴史、手法、隣接するほかのオタク…

執筆前夜

クリエイターズワールド編集部(編)『執筆前夜』、新風社、2005 作家10人に作家生活に入るきっかけ、仕事のしかたその他もろもろを尋ねたインタビュー集。恩田陸、三浦しをん、角田光代、酒井順子、加納朋子、群ようこ、中村うさぎ、野中柊、林あまり、鷺沢…

空前絶後のオタク座談会3 メバエ

岡田斗司夫、山本弘ほか『空前絶後のオタク座談会3 メバエ』、音楽専科社、2002 岡田、山本とのオタク鼎談の三巻目。鼎談相手は、眠田直(アメリカ製カートゥーン)、宮脇修一(食玩フィギュア)、開田裕治(特撮怪獣)、川口克己(ガンプラ)の四人。この…

経営者、15歳に仕事を教える

北城恪太郎『経営者、15歳に仕事を教える』、丸善、2004 日本IBM会長、経済同友会代表幹事の北城恪太郎が、「私の履歴書」と「経営者論」をいっしょにしたような本を書いた、というもの。これで15歳に理解できるのか?という気はするが、全体としては普通の…

中年シングル生活

関川夏央『中年シングル生活』、講談社文庫、2001 関川夏央の半エッセイ、半小説の中年独身男生活についての書き物。まあさびしいようでもあり、たのしいようでもあり、そのどっちでもあるけど、ただ流されるように日々を送っている感じ。ハードカバーで発行…

人生激場

三浦しをん『人生激場』、新潮文庫、2006 三浦しをんは何を読んでもおもしろい。この本でも暴走しまくっていて、このおもしろさはちょっとすべりかかってる部分もあるけど、寸止め状態でおもしろくまとまってる。そこはかとなくただよっている腐女子のかおり…

現代ロシア政治入門

横手慎二『現代ロシア政治入門』、慶應義塾大学出版会、2005 主に学部学生向けと思われるロシア政治への入門書。歴史編、政治編、対外政策編の三部からなる。著者の専門からして対外政策の項目に重点が置かれている。下斗米伸夫『ロシア現代政治』が若干内容…

北朝鮮に備える軍事学

黒井文太郎『北朝鮮に備える軍事学』、講談社+α新書、2006 北朝鮮がからむ戦争や海上封鎖の場合に、日本及びアメリカの対処はどこまでできているのかという問題についての解説本。この種の本は多く書かれているので新情報といえるものはそれほどないが、北朝…

アメリカのパワーエリート

三輪裕範『アメリカのパワーエリート』、ちくま新書、2003 タイトルはやや内容とズレているような感じを受けるが、内容はアメリカ政治に関する基本的な教科書。しかし類書(大統領、議会、裁判所などの機関を個別に説明していくようなもの)とは異なり、権力…

小説のだめカンタービレ

高里椎奈『小説のだめカンタービレ』、講談社、2006 二ノ宮知子の原作マンガを衛藤凛が脚色し、さらにそれをノベライズしたというもの。察するところ、ドラマがヒットしたのでいきなりノベライズ化が決定したのでは。非常に急いで書かれた感じ。小説はテレビ…

ホテル・ニューハンプシャー

「ホテル・ニューハンプシャー」、ジョディ・フォスター、ロブ・ロウ、ボー・ブリッジス、ナスターシャ・キンスキー主演、トニー・リチャードソン監督、アメリカ、1984 ジョン・アービングの原作は読んでいない。しかし、映画はアービングの世界そのもの。人生…

ねっとのおやつ

佐藤雅彦『ねっとのおやつ』、マガジンハウス、2002 so-netで「毎日配信」ということで連続配信されたアニメーションの絵コンテをマンガに書き起こしたもの。「いつもここから」との鼎談がついていて、これはまあまあ読める。ところが本編のマンガがおもしろ…

エロマンガ・スタディーズ

永山薫『エロマンガ・スタディーズ』、イーストプレス、2006 エロマンガ全般にわたる歴史・書評本。エロマンガの歴史をサーベイする第一部と、エロマンガを、ロリコン、巨乳、妹・近親相姦、陵辱、愛、SM、ジェンダー混乱もの(ショタ、ふたなり、性転換など…

ジャパン・ハンド

春原剛『ジャパン・ハンド』、文春新書、2006 主に90年代以後の日米関係を、アメリカのパワーエリートの中の「知日派人脈」に連なる人々の動きから追っていった本。良書である。アメリカの各政権や野にある知日派がどういう人々であり、彼らがどういう動機で…

民団+総連の「和解」のウラで何が起っていたのか!?

統一日報編集部(編著)『民団+総連の「和解」のウラで何が起っていたのか!?』、洋泉社、2006 2006年の民団による朝鮮総連との電撃的な「和解」発表とその後の民団内紛劇のてんまつを、在日韓国人向けの新聞「統一日報」の記事を再構成することで追い掛け…

インド旅行記2

中谷美紀『インド旅行記2 南インド編』、幻冬社文庫、2006 中谷美紀のインド旅行記の二巻目。マドラス、マイソール、バンガロール、ハイダラーバード、ポンディシェリーといった町を相変わらず精力的に回っている。 しかしこの旅行記、約一ヶ月の行程を毎日…

シュミじゃないんだ

三浦しをん『シュミじゃないんだ』、新書館、2006 帯の「この語りつくせぬ愛を見よ!」という一言で内容は全部いいつくされてる気がする。ひさしぶりに見たいいコピー。三浦しをんのBLマンガ時評なのだが、BLに趣味のない人でも読んでいてとてもたのしめる。…

インストール

「インストール」、上戸彩、神木隆之介主演、片岡K監督、「インストール」製作委員会、2004 原作を読まずに映画をみるという変則的なことをまたやっちゃった。映画自体はまあふつうというか、特に可も不可もなしという感じ。ただ神木隆之介は非常によい。19…

ワルキューレ

ワーグナー「ワルキューレ」、ジークムント ポール・エルミング、ジークリンデ ナディーネ・ゼクンデ、ヴォータン ジョン・トムリンソン、ブリュンヒルデ アン・エヴァンス、ダニエル・バレンボイム指揮、バイロイト祝祭歌劇場管弦楽団 今日は1月の第一日曜…

靖国

坪内祐三『靖国』、新潮文庫、2001 靖国神社の来歴を九段坂という広がりのある場所との関係で明らかにしようとした本。このねらいはおおよそうまくいっていると思う。特に明治時代に靖国神社がいろいろなイベント会場として使われ、その歴史は第二次大戦後に…

陸大物語

甲斐克彦『陸大物語』、光人社NF文庫、2003 1988年に「人物陸大物語」として出た本を改題、文庫化したもの。「「天保銭組」から見た昭和史」という副題がついていて、陸大出の軍人たちの人物伝。もうちょっと陸大そのものの歴史や教育の内容に即した本だと思…

空前絶後のオタク座談会2 ナカヨシ

岡田斗司夫、山本弘『空前絶後のオタク座談会2 ナカヨシ』、音楽専科社、2002 岡田、山本がゲストを招いて鼎談したシリーズの二冊目。鼎談のゲストは、特撮考証の伊藤秀明、声優のかないみか、アニメ監督の原恵一、作曲家の渡辺宙明。おもしろかったのは伊…

反=文藝評論

小谷野敦『反=文藝評論』、新曜社、2003 小谷野敦の「文芸評論」本。副題が「文壇を遠く離れて」とある。内容は確かにそのとおりで、村上春樹はけちょんけちょん、それだけならいいが「政治としての対談・座談会」では対談や座談会という形式がいかに文壇で…

インド旅行記1

中谷美紀『インド旅行記1』、幻冬舎文庫、2006 タイトルそのまま。中谷美紀のインド旅行記。ほぼ一ヶ月かけて北インドの広範な地域、デリーのような都会だけではなくて、中国、パキスタン国境よりの辺鄙な地域までとてもまめに回っている。おなかを悪くした…

外交敗北

重村智計『外交敗北』、講談社、2006 重村智計による日朝交渉の内幕本。表題の意味は、「北朝鮮との外交交渉で、要求すべきことを最初から明確に要求さえしない日本外交は始まる前から負けている」ということ。どこまで信用してよいのか迷う部分もあるが(問…