2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

明治大帝と乃木将軍

「明治大帝と乃木将軍」、嵐寛寿郎、林寛主演、小森白監督、新東宝、1959 新東宝「明治天皇もの」の三作目。出がらし感もあり、客の入りはよくなかったらしいが、今見るといくつか興味深いことに気づく。とにかく乃木将軍は、明治天皇に申し訳ない、戦死した…

背水の陣

『背水の陣』赤瀬川原平、日経BP社、2003 『日経エコロジー』(そんな雑誌が出ているとは知らなかった)の連載エッセイをまとめたもの。なので、内容もなにがしか環境問題にからめたものになっている。一番うなずかされたのは、「死んだらもう眠れなくなる」…

クワイエットルームへようこそ

「クワイエットルームへようこそ」、内田有紀、宮藤官九郎主演、松尾スズキ監督、「クワイエットルームへようこそ」フィルムパートナーズ、2007 松尾スズキの新作なのでとりあえず行ってきた。小説のほうは未読。内田有紀は雑誌のライターをしていたが、眠剤…

トロイ

「トロイ」、ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム主演、ウォルフガング・ペーターゼン監督、アメリカ、2004 スカパーでやっていたのでついつい見た。イリアスのお話はかなり書き換えられている。登場人物は自己中ばっかり。まあそれは「…

鉄路の昭和史 鉄道を支えた人々

「鉄路の昭和史 鉄道を支えた人々」、日本映画新社 ヒストリーチャンネルでやっていた鉄道映画の第2編。これも戦前(年は出ていない)から、昭和30年代後半あたりまで。整備、保線関係と機関士教育などの記録フィルムを編集したもの。戦前のものは鉄道省の宣…

鉄路の昭和史 昭和の乗客名簿

「鉄路の昭和史 昭和の乗客名簿」、クリエーションファイブ 昭和15年ごろから38年ごろまでの鉄道記録フィルムを編集したもの。ヒストリーチャンネルでやっているのを見た。昭和16年だと靖国神社に参拝する遺族用に仕立てられた列車が走っていたりする。占領…

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』本谷有希子、講談社文庫、2007 映画がおもしろかったので、小説のほうも読んでみた。こちらも非常におもしろい。映画版は「姉」のぶっとび方を強調するために、他の三人「妹」「兄」「兄嫁」の異常さを少し切っているとこ…

イン・ザ・プール

「イン・ザ・プール」、松尾スズキ主演、三木聰監督、「イン・ザ・プール」製作委員会、2004 奥田英朗の原作は未読。松尾スズキは変な精神科医で、そこにプール依存症の田辺誠一、勃起がおさまらないオダギリジョー、強迫神経症の市川実和子が患者としてやっ…

逆立ち日本論

『逆立ち日本論』養老孟司、内田樹、新潮社、2007 養老孟司と内田樹の対談本。対談のネタは、基本的に内田の『私家版ユダヤ文化論』で、これをもとにしてユダヤ人論をやっている。あらためてユダヤ人について自分がぜんぜんわかってなかったことがわかった。…

童貞としての宮沢賢治

『童貞としての宮沢賢治』押野武志、ちくま新書、2003 あまり宮沢賢治をまめに読んでいるわけではないのにこういう本を読むのはどうかなと思っていたが、読んで見るとけっこうおもしろかった。童貞についての文学者たちの葛藤からはじまって、宮沢賢治の作品…

図解ハンドウェポン

『図解ハンドウェポン』大波篤司、新紀元社、2006 銃器とその周辺機器、さらに対戦車ロケットやボウガンその他を含む「ハンドウェポン」について初心者向けに解説した本。機関銃と短機関銃と突撃銃の区別がつかないような初心者を対象として、かんでふくめる…

図解ハンドウェポン

『図解ハンドウェポン』大波篤司、新紀元社、2006 銃器とその周辺機器、さらに対戦車ロケットやボウガンその他を含む「ハンドウェポン」について初心者向けに解説した本。機関銃と短機関銃と突撃銃の区別がつかないような初心者を対象として、かんでふくめる…

愛人/ラマン

「愛人/ラマン」、ジェーン・マーチ、レオン・カーフェイ主演、ジャン・ジャック・アノー監督、フランス、イギリス、1992 もはや恋愛映画というよりはロリにとっての究極のおかずにされてしまっているこの映画。デュラスの原作は未読。しかしさすが名作の評…

メゾン・ド・ヒミコ

「メゾン・ド・ヒミコ」、オダギリジョー、柴咲コウ主演、犬童一心監督、「メゾン・ド・ヒミコ」製作委員会、2005 ヒミコと呼ばれたオカマ(田中泯)は引退後、オカマたちの入る老人ホームをつくる。そこに自分と母親を捨てたオカマの父親を憎む娘の柴咲コウ…

夫の気持ち

「夫の気持ち」Te Quiero アレクス・モントーヤ、ラウル・ナバッロ監督、スペイン、2002 ひとつまみほどの短編映画。髪を短くしてめがねをかけた奥さんが出てくるが、夫(こっちはほとんどナレーションだけ)は、うんざりしていて、買い物に付き合わされるの…

東京裁判の謎を解く

「東京裁判の謎を解く」兵頭二十八、別宮暖朗、光人社、2007 東京裁判に関係した人々、被告人だけでなく、拘留されながら起訴されなかった人、判事検事、連合国側の指導者などさまざまな人々の事跡をつづることを中心とし、検察側、弁護側のシナリオ、死刑判決…

アンテナ

「アンテナ」、加瀬亮、小林明美主演、熊切和嘉監督、オフィスシロウズほか、2003 田口ランディの原作は未読。幼い頃に失踪してしまった妹、そのことで罪悪感にさいなまれる主人公、宗教に入れ揚げている母親といった道具立てで話が進む。主人公はSMの女王様…

博士の愛した数式

「博士の愛した数式」、寺尾聰、深津絵里主演、小泉尭史監督、「博士の愛した数式」製作委員会、2006 だいたい原作に忠実なストーリーだが、成人して数学教師になったルートが思い出として博士のことを語る、というつくりはちょっとどうか。吉岡秀隆(成人し…

新兵隊やくざ 火線

「新兵隊やくざ 火線」、勝新太郎、田村高廣主演、増村保造監督、東宝、1972 兵隊やくざものも、これで最終作。はじめてカラーになった。増村保造が監督して脚本も書いているので、ちょっと期待して見たのだが・・・。 作曲家が変わり、変なエレクトーンの演奏…

兵隊やくざ強奪

「兵隊やくざ強奪」、勝新太郎、田村高廣主演、田中徳三監督、大映、1968 兵隊やくざシリーズの八作目。だんだん見るのも疲れてきたが、あと一作なので根性で見てみる。前作で終戦を迎え、有田と大宮は日本をめざすのだが、途中で敗戦を信じないキチガイ中隊…

日本有事

「日本有事」兵頭二十八、PHP、2006 兵頭二十八の本にしてはめずらしくハズレ。ちょっと出し殻というか、あまりおもしろいネタがない。論旨もところどころ強引にすぎるところがある。幕末の下層武士階層の革命を「リベラル」と呼ぶのはちょっとムリ。しかし、…

オズの魔法使

「オズの魔法使」、ジュディー・ガーランド主演、ビクター・フレミング監督、アメリカ、1939 ミュージカル映画はあまり見ない自分だが、これだけはもう5回以上は見ているはず。たまたまNHKの衛星放送でやっていたのでまた見てしまった。この前見た「ザッツ・…

めし

「めし」、原節子、上原謙主演、成瀬巳喜男監督、東宝、1951 大阪に転勤してきた上原、原夫婦。退屈な生活と夫にあきあきしてきた原節子のところにおてんばの姪っ子が転がり込んできて、イライラした原節子は姪を連れて東京に帰ってしまうが、結局迎えにきた…

幽幻道士

「幽幻道士」、金塗、黄仲裕、劉致妤主演、趙中興監督、台湾、1985 キョンシーブームの頃はぜんぜん見てなかった。というか後でいくつか見たのだが、それは「霊幻道士」のほうで、こっちじゃなかったことが判明。こっちの「幽幻道士」のほうがパクリなのだが…

逆噴射家族

「逆噴射家族」、小林克也、倍賞美津子、植木等主演、石井聰亙監督、ATG、1984 小林よしのりが原案で、脚本も書いてる。すっかり「言論人」になってしまったけど、こういう時代もあったのね。小林克也が念願の家を建てるのだが、植木等のじいちゃんが転がり…

帰らざる日々

「帰らざる日々」、永島敏行、江藤潤主演、藤田敏八監督、日活、1978 永島敏行と江藤潤の屈折した青春もの。同名のアリスの歌が流れている。永島敏行はキャバレーのボーイで、店の根岸季衣とデキていて、父親が事故で亡くなったということで帰郷。で、永島と…

任侠外伝 玄海灘

「任侠外伝 玄海灘」、安藤昇、宍戸錠、李礼仙主演、唐十郎監督、唐プロ、ATG、1976 ほかに根津甚八、小松方正、石橋蓮司などの面々。韓国から密航してきた女を集めて東京に売り飛ばす女衒稼業の話。殺して犯したはずの女が実は生きていて、その娘と愛人が韓…

空の大怪獣ラドン

「空の大怪獣ラドン」、佐原健二、平田昭彦、白川由美主演、本多猪四郎監督、東宝、1956 これも初見。個人的には、ラドンよりメガヌロンのほうがコワイ。しかしいくら帰巣本能があるからって、いったん飛び出したはずの噴火口(溶岩がドロドロ出ている)に戻…

ザッツ・エンタテインメント

「ザッツ・エンタテインメント」、フレッド・アステアほか出演、ジャック・ヘイリー・ジュニア監督、アメリカ、1974 MGM製作のミュージカル映画のハイライト集。わたしはいままでミュージカル映画を見たことがほとんどなく、「オズの魔法使い」「サウンド・…

バーバー吉野

「バーバー吉野」、もたいまさこ、米田良主演、荻上直子監督、PFFパートナーズ、2003 荻上直子の劇場用初監督作。シチュエーションは違っても、わりと一貫したテーマを扱っていることがわかる。話は、とある田舎町で小学校の男子に、変なおかっぱ頭が義務付…