#漫画、コミック

制服ぬすまれた

衿沢世衣子『制服ぬすまれた』小学館、2018 衿沢世衣子の新刊。この人の本は、あまり気にせずに即買いすることにした。これはミステリ仕立て。 殺人すれすれの話から、表題作の制服泥棒の話など、この長さでサクッとまとまるのかとちょっと感動した。とにか…

文豪失格

千船翔子『文豪失格』実業之日本社、2015 文豪たちの関係性で遊ぼうというマンガ。主な登場人物では、夏目漱石、泉鏡花、芥川龍之介、谷崎潤一郎、太宰治、中原中也、川端康成などなど。 編集プロダクションとの共著になっているので、構成やエピソードの選…

水色の部屋

ゴトウユキコ『水色の部屋』太田出版、2014-15 いま、『夫のちんぽが入らない』のマンガ版を連載しているゴトウユキコのマンガ。かなりエグい作品。 母子家庭の高校生男子と半分終わっているような女子、男子の母、男子と女子の同級生あたりが登場人物。これ…

まじめな時間 1-2

清家雪子『まじめな時間』1-2、講談社、2012 幽霊ものマンガ。主人公の女子高生、一沙は、車にはねられて頓死。そのまま霊になってしまう。死んだ人は霊になり、成仏するまでそのへんに適当にただよっている。霊は、生きている人の世界を見ることができるの…

最果てにサーカス 1

月子『最果てにサーカス』1、小学館、2015 これは、中原中也、小林秀雄、長谷川泰子の三角関係話。このネタは、たくさん書かれているし、マンガでも、『含羞』があるので、そのひとつということになるが、これはよく描けている。 基本的には、小林秀雄の中原…

マンガ水木しげる伝 下

水木しげる『マンガ水木しげる伝』下(戦後編)、講談社漫画文庫、2004 こちらは水木しげる自伝の下巻。貸本時代からあとのことを描いているのだが、これはもはやマンガ家の伝記ではなくなっている。もちろん仕事のことも書いているのだが、それはぜんぜん中…

マンガ水木しげる伝 中

水木しげる『マンガ水木しげる伝』中(戦中編)、講談社漫画文庫、2004 3巻本の、水木しげる自伝。これが中巻で、戦争中のことと、戦後、貸本漫画を描き始めるまでのこと。 戦争中の話はさすがにものすごく、今どきの、本をもとにして描いている戦争漫画とは…

バーナード嬢曰く。 4

施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』4、一迅社、2018 適当に見ていたら、これの新刊が出ていたので買ってしまった。あいかわらずおもしろい。 この巻では、「ぐりとぐら」「ハックルベリー・フィンの冒険」あたりから始まり、野崎まど、「電車男」、ドストエフ…

シンプル ノット ローファー

衿沢世衣子『シンプル ノット ローファー』太田出版、2009 衿沢世衣子の昔のマンガ。といっても、2009年なので、デビューしたてというわけではなく、「ちづかマップ」の1年前でしかない。 女子高生活もの。「うちのクラスの女子がヤバい」は、共学校だったの…

海月姫 #1-3

東村アキコ『海月姫』1-3巻、講談社、2009 アニメ、実写ドラマ、映画といろいろ展開している海月姫。どんなものなのかと思って読んでみたが、おもしろい。 主人公の月海といい、周りの女オタクや、天水館、蔵之介も、ありえなさそうな設定だが、おもしろ…

うちのクラスの女子がヤバい #2

衿沢世衣子『うちのクラスの女子がヤバい』2、講談社、2016 このマンガ、1巻だけ買ってその後を読んでいなかったのだが、3巻で完結していた。それなら読んでもいいかと思って、2巻を読んだら、これが非常におもしろい。 このマンガの設定、「無用力」という…

花図鑑 1

清原なつの『花図鑑』1、早川書房、2004 この『花図鑑』、清原なつのが「大人ネタ」を描くようになった最初のマンガということだが、初出は1990年となっている。まだバブル、30年近くも昔のこと。掲載誌は『ぶ~け』。これもなつかしい。 『ぶ~け』だから、…

雨降り姫と砂漠王子

清原なつの『雨降り姫と砂漠王子』小学館、 清原なつの「お伽ファンタジーシリーズ」の2巻。こちらのほうが、作者の好みが前の巻より前面に出ている。 「バブル姫とロスジェネ王子」は、時代を感じる。作者はバブルの時に30歳前くらいだったはずなので、バブ…

人魚姫と半魚人王子

清原なつの『お伽ファンタジー 1 人魚姫と半魚人王子』小学館、2009 清原なつのは、Kindleでいくらでも読めることがわかったので、買ってしまった。これはある意味、『花岡ちゃんの夏休み』の「その後」みたいなもの。 セックス要素が入った、「王子様とお姫…

ヤマトナデシコ日和

清原なつの『ヤマトナデシコ日和』小学館、2014 清原なつののコミックエッセイ。ネタは、「おけいこごと」。連載のために新しく始めたものもあるが、華道、茶道、歌舞伎見物、鵜飼見物、作陶、盆踊り、書道と幅広くやっている。茶道と歌舞伎見物は相当長く続…

花岡ちゃんの夏休み

清原なつの『花岡ちゃんの夏休み』早川書房、2016 これは、清原なつののりぼんコミックスがハヤカワコミック文庫に入り、それが電子化された本。電子化されたおかげでこれがいつまでも読めるとはありがたい。 古い絵柄で、描線もそんなにきれいではないが、…

劇画ヒットラー

水木しげる『劇画ヒットラー』ちくま文庫、1990 水木しげるの昔から言われている名作。このページ数で、よくこれくらい詰め込んだということもあるが、やはり水木しげるの画力。ヒトラーや周辺の人々は、抜けた絵で描き、そうではないものは精密に描き込んで…

コミックマーケット93

「コミックマーケット93」、2017.12.31 今年は冬コミに行くことができた。ありがたい。今年、用事があるのは、2日目と3日目。両方行けた。31日まで行けたこともありがたい。 2日目はそこそこの収穫にとどめておいた。なぜなら、荷物をあまり増やしたくなかっ…

さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか・・・

「連載50周年特別記念展 さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか・・・」、大阪文化館・天保山、2017.11.12 ゴルゴ13の記念展覧会。主要エピソードの紹介、原画、スタジオの様子、武器(モデルガン)などの展示。 あまり人がいないかと思ったら、そこそこ…

月光の囁き 1-6

喜国雅彦『月光の囁き』1-6、1995-1997 こっちが原作。6巻本である。一読して、やはりよくできていることは確かなのだが、映画のほうが自分としては好き。 こちらは、まず絵柄でひっかかってしまった。沙月は美少女なので(もちろん、そのように描かれてはい…

変わりゆくマンガと社会

「変わりゆくマンガと社会 ~ネット・実写化・聖地巡礼~」表智之、広島市まんが図書館、2017.10.14 これは講演会。講演者は、北九州市漫画ミュージアム専門研究員。 内容は、マンガ表現とマンガ業界のおかれた現状みたいなこと。実写化、表現の多様性、ネッ…

やれたかも委員会 1

吉田貴司『やれたかも委員会』電書バト、2017 これは読者投稿をもとにしたマンガ。「あの時、もうひと押ししていれば、セックスできたかも」と男が思っているエピソードを、「やれたかも委員会」(男性2人、女性1人)持ち込み、委員会が「やれた」「やれたと…

ちづかマップ

衿沢世衣子『ちづかマップ』講談社、2016 これは小学館から3巻本で出ているものなので、なんで同じタイトルで巻数が入っていないものが出ているのか、よくわからなかった。もとは違う雑誌で違うタイトル(「尋ネ人探偵」)で連載されていたものが、登場人物…

うちのクラスの女子がヤバい 1

衿沢世衣子『うちのクラスの女子がヤバい』1、講談社、2016 この作者、どこで読んだっけと思っていたら、「ちづかマップ」の人だった。あれはおもしろかったが、こっちは全然毛色の違う話。うちのクラスの女子だけが持っている特殊能力、「無用力」が出現す…

無面目・太公望伝

諸星大二郎『無面目・太公望伝』潮出版社、1989 古本屋で見つけて拾ってしまった。これは昔読んだはずだが、おぼろげにしか覚えていないので、2度買いしても問題なし。 「無面目」は、莊子の「渾沌、七竅に死す」の話を漢の武帝時代の巫蠱事件にくっつけたも…

さよなら、カルト村

高田かや『さよなら、カルト村 思春期から村を出るまで』文藝春秋、2017 著者の前作『カルト村で生まれました』に次ぐ、ヤマギシ会での生活の記録。この本で扱っているのは、中等部(中学生)から高等部まで。その後の生活と現在の夫との出会いについても少…

ど根性ガエルの娘 2, 3

大月悠祐子『ど根性ガエルの娘』2,3、白泉社、2016, 2017 『ど根性ガエルの娘』の2巻と3巻。サクッと読めたが、これは1巻よりさらにインパクトが強い。1巻では、ひたすら夫婦関係のよさに焦点が当たっていたのだが、この奥さん(つまり作者の母)は、夫との…

ど根性ガエルの娘 1

大月悠祐子『ど根性ガエルの娘』1巻、白泉社、2016 作者は、「ど根性ガエル」の作者、吉沢やすみの娘。この作品は、その父親と家族についての実話。 「ど根性ガエル」は、もともとアニメでしか知らなかった。昔は家がマンガ禁止だったので、漫画誌を読んでい…

マーベル展

「マーベル展」、東京シティビュー、2017.6.17 これも森ビルの美術館(というか、展望台の方)でやっていた、マーベルキャラの展覧会。 マーベル、実はスパイダーマンくらいしか見ておらず、最近のアベンジャーズとか、よく知らない。しかし、これは非常にお…

クレムリン 4,5

カレー沢薫『クレムリン』4, 5、講談社、2011-12 『クレムリン』の4巻と5巻。このマンガ、最初は、まあそこそこおもしろいけど、爆笑というほどのものでもないなーと思っていたが、ここまで読んでみると、こういうユルユルな感じがいいなあと思い始めた。 関…