2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

来てけつかるべき新世界

ヨーロッパ企画『来てけつかるべき新世界』、アステールプラザ中ホール、2016.9.29 この劇団の公演、時間があるときには行っているが、行ける年と行けない年があり、今年はなんとかなった。 「新世界」は、大阪の新世界と、これから来るというロボットとコン…

君の名は

「君の名は」、新海誠監督、コミックス・ウェーブ・フィルム、2016 あまりにもはやっているので、見に行ってしまった。 途中まで展開が遅いのでイライラしていたが、映像はきれいだし、話の骨子がセリフで説明されてからは、わりと素直に見られた。 しかし、…

大本営発表

辻田真佐憲『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』幻冬舎新書、2016 精力的に著作を発表している著者による、太平洋戦争における「大本営発表」の歴史本。大本営発表は、1937年から、1945年まで行われていて、日中戦争時の当初は地味で、そんなに外し…

ヒトラー『わが闘争』~封印を解かれた禁断の書

「BS世界のドキュメンタリー」「ヒトラー『わが闘争』~封印を解かれた禁断の書」、NHKBS1、2016.9.26 「わが闘争」の著作権切れについてのドキュメンタリー。まあ、内容は予想通りであまりおもしろくはない。 2015年がヒトラー没後70年なので、2016年からは…

兵器と戦術の世界史

金子常規『兵器と戦術の世界史』中公文庫、2013 これは、元は原書房から1979年に出ていた本の文庫化。著者は1916年生まれ。陸士49期。戦後は陸上自衛隊に入り、富士学校特科副部長で退官。2000年没という人。砲兵だ。 この本は、古代から第四次中東戦争まで…

真田丸 #38

「真田丸」 #38 「昌幸」 九度山に蟄居となった真田家。ついてきたのは、きりと、春だけ。きりは、あいかわらずピント外れな発言をして、春にはバカにされている。春は、死んでしまった梅に嫉妬を隠せない。しかし、春には信繁との子ができた。 徳川家康は征…

真田丸 #37

「真田丸」 #37 「信之」 上田では徳川軍の足止めに成功したが、関ヶ原で大坂方が負けてしまい、それで話は終わり。昌幸は、しつこく粘ろうとするが、信繁に止められる。 徳川家康は、城受け取りの使者を信幸に出させた。城を退去、武器は置いたまま、処分は…

ドキュメント72時間 女子刑務所 彼女たちの素顔

「ドキュメント72時間」、「女子刑務所 彼女たちの素顔」、NHK総合、2016.9.16 この回は和歌山刑務所。日本最大級の女子刑務所。ここに何日もカメラが入るのは初めて。撮影は、指定された場所のみ。インタビューも許可を受けた相手に対してのみ許される。 工…

昭和16年夏の敗戦

猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』中公文庫、2010 すっかり世評の高い本になったが、読んでみるとやはりおもしろい。この版は中公文庫なので、2010年になっているが、1983年に世界文化社から出て、その後1986年に文春文庫に入った。そのまま改訂もしていないのに…

部落ってどこ?部落民ってだれ?

鳥取ループ、三品純『部落ってどこ?部落民ってだれ?』示現舎、2016 これは傑作。真剣に身を入れて取材している本。この本、電子書籍として出たものを印刷製本しているだけで、自費出版本。この内容を読めば、この本が商業出版のルートに絶対にのらない理由…

ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件・・・そして

「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件・・・そして」、伊藤めぐみ監督、ホームルーム、2013 タイトル通り。2004年のイラクでの日本人人質事件のその後のドキュメンタリー。内容はアホらしい。しかし、このネタを2013年時点で追いかけたのはよい。 人質…

「地政学」は殺傷力のある武器である

兵藤二十八『「地政学」は殺傷力のある武器である』徳間書店、2016 兵藤二十八の本が、たまたま図書館に入っていたので、ひさしぶりに読んだ。非常に快調で、楽しく読めた。 「地政学」と言っていて、実際に、マハン、マッキンダー、スパイクマンと、ドイツ…

賛成反対を言う前の集団的自衛権入門

香田洋二『賛成反対を結前の集団的自衛権入門』幻冬舎新書、2014 元自衛艦隊司令官の著者になる、集団的自衛権の解説本。ちょうど集団的自衛権についての閣議決定の後で出だ。内容は、昔の自衛隊の話に始まって、法律の問題点や集団的自衛権がないと解釈され…

日本に自衛隊が必要な理由

北沢俊美『日本に自衛隊が必要な理由』角川ワンテーマ21、2014 元防衛大臣の北澤俊美の回顧録。この人は、在任中ずっと日記をつけていた。その日記を下にして書かれたのがこの本。 東日本大震災のときの自衛隊の活動から始まって、原発事故への対処、日米安…

真田丸 #36

「真田丸」 #36 「勝負」 真田家は分かれ、信幸は徳川のもとに参陣。家康は、大坂の急変を聞いて対応策を考えているが、信幸の参陣を歓迎する態度を見せてみた。軍議の席では、皆で大坂方討つべしとなるが、山内一豊出てこない。 信幸の嫁、稲は、上田の真田…

ラーメン二郎全店感想本 2016夏版

小麦研究所『2016夏版 ラーメン二郎 全店感想本』2016 これは夏コミで手に入れてきた薄い本。著者は、二郎40店(これはインスパイア系を含まない、「二郎」だけ)を全部回って、感想を書いている。40店といったって、東京と周辺にあるわけではなく、会津若松…

特撮秘宝vol.4

『特撮秘宝』vol.4, 2016 最近出た特撮秘宝の新しい号。内容は、『シン・ゴジラ』特集。 ほとんどがスタッフインタビューで、これはよい企画。キャラクターデザイン、准監督・特技総括、美術、B班撮影、特撮班美術、自衛隊担当、編集・VFXスーパーバイザー、…

原発敗戦

船橋洋一『原発敗戦 危機のリーダーシップとは』文春新書、2014 今頃読んだが、本当は出た時に読んでいなければならなかった本。とはいえ、未だに『カウントダウン・メルトダウン』も読んでいないのだ。これは取材を重ねて書かれた、その続編。 第一部は、書…

1年で聖書を読破する

鈴木崇巨『1年で聖書を読破する』いのちのことば社、2016 タイトル通り、聖書を読破する「計画」を示した本。この計画というのは、まず新約の「マタイによる福音書」、「ヨハネによる福音書」、「使徒行伝」を読んでから旧約に移り、最初から最後まで全部読…

五分後の世界

村上龍『五分後の世界』幻冬舎文庫、1997 村上龍の昔の小説。圧倒的におもしろいわ。 単行本が刊行されたのは1994年。ソ連はなくなり、昭和天皇も死んでいた。 文庫本で約300ページだが、132ページに行くまで、状況設定の説明がない。それまでの間は、よくわ…

ゲッベルス

平井正『ゲッベルス メディア時代の政治宣伝』中公新書、1991 もうだいぶ昔に出た本だが、非常におもしろかった。良書。 ナチス研究はこの頃でも文献が山程あるので、それをきちんとまとめ、かつゲッベルスの日記を使ってその生涯を描いた本。 ゲッベルスは…

嫉妬の世界史

山内昌之『嫉妬の世界史』新潮新書、2004 山内昌之の歴史エッセイ。別にロシアやイスラム圏の歴史人物に限った話はしておらず、日本、中国、ドイツなど、また政治家、軍人、医者、学者、などなど、幅広くとりあげている。 タイトルどおり、内容は「嫉妬」。…

真田丸 #35

「真田丸」 #35 「犬伏」 真田家は、豊臣方につくことに決まった。父と兄弟以外の人々は、それぞれにドラマがある。 徳川と石田もそれぞれの準備。石田三成は、大谷吉継とともに計画を立てる。大坂城での軍議もできた。しかし、小早川秀秋は、板部岡江雪斎が…

セックス幸福論

森林原人『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』講談社文庫、2016 これは名著。著者に興味があって読んでみたが、これほどとは。著者は、AV男優で、中学、高校が筑波大付属駒場、中高時代にAVにハマり、大学受験に失敗、専修大に進学したがそこでAV男…

確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術

仁科友里『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』アスペクト、2016 これはタイトルはつまらなそうだが、実は非常に実用的であるだけでなく、示唆するところが多い本。 簡単に言うと、男性に対して、女性に対する接し方の基本を説明するもの。基本とは、…

ゴジラとエヴァンゲリオン

長山靖生『ゴジラとエヴァンゲリオン』新潮新書、2016 長山靖生の役に立つ本がまた出た。「シン・ゴジラ」の公開前に書かれている本だが、「シン・ゴジラ」を見るために必要な知識、つまりゴジラ映画の歴史と、エヴァンゲリオンの歴史を俯瞰して解説する本。…

20代で隠居

大原扁理『20代で隠居 週休5日の快適生活』K&Bパブリッシャーズ、2015 著者は実際に「週休5日」生活を実践している人。労働は週2日で、月に7万円から8万円くらいの収入。仕事は介護なので、キツいことはキツいが、週2日労働なのでなんとかガマンができる。 …

棚から一掴み 第9号

『棚から一掴み』KZA2企画、2016 夏コミで手に入れた薄い本。この号は、「特集 2015-2016 評論・情報・趣味系同人誌レビュー」。同人誌を攫って、おもしろいものを拾うという本。 紹介されているのは、「閉店したラーメン屋」、「蔵元直営居酒屋のファンブッ…

私たち、日本共産党の味方です

筆坂秀世、鈴木邦男『私たち、日本共産党の味方です』情報センター出版局、2007 元共産党の筆坂秀世と、一水会顧問の鈴木邦男の対談。共産党の情報本としてはおもしろいのでアリ。2007年の本なので、最近の(2015年以後の)共産党の話はないのだが、共産党が…

(不)正直な私たち

「(不)正直な私たち~”ウソ”を巡る”本当”の話」、NHKBS1、2016.8.31 ダン・アリエリーがプロデューサーで製作した、ドキュメンタリー。半分は、アリエリー先生の講演で、半分がウソで自分の人生を棒に振った人たちのインタビュー。 基本的には、「どういう…