2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

絵画の冒険者 暁斎Kyosai

「絵画の冒険者 暁斎Kyosai─近代へ架ける橋」、京都国立博物館 河鍋暁斎の展覧会。これは今週の日曜日にNHK教育テレビの「日曜美術館」の特集で取り上げられ(なんで展覧会が終盤になったいまごろやるの?4月のはじめ頃に放送してくれればいいのに・・・)、あ…

妙法院 宝鏡寺 慈受院

妙法院、宝鏡寺、慈受院 春季京都非公開文化特別拝観という恒例行事で、出かけてきた。妙法院は子供の頃から寺の前はしょっちゅう通っていたのだが、この行事での春と秋の公開以外には開けてくれないお寺。中を見るのははじめてなのでちょっとわくわく。庫裡…

石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」

『石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」』岩間敏、朝日新書、2007 主に太平洋戦争における日本の石油事情を解説した本。石油の必要性はわかっていながら、現実にはまったくそれに対応した行動をとっていなかった日本の実体を暴露する。サウジアラビアからの購…

牡丹と薔薇

「牡丹と薔薇」、大河内奈々子、小沢真珠ほか出演、中島丈博脚本、東海テレビ放送、ビデオフォーカス、2004 このドラマ、本放送が話題になっていたころは当然ながら見ることができず、ファミリー劇場で再放送されていたものを録画してようやく見終わった。フ…

封鎖作戦

「封鎖作戦」、トレヴァー・ハワード、リチャード・アッテンボローほか出演、コンプトン・ベネット監督、イギリス、1952 古い戦争映画。アメリカがまだ中立状態だった時期にイギリスに供与された50隻の旧式駆逐艦の1隻のおはなし。最初はトラブルと不満だら…

昭和の名将と愚将

『昭和の名将と愚将』半藤一利、保阪正康、文春新書、2008 「名将」編は雑誌連載されたものだが、「愚将」編は語り下し。さすがに「名将」を語っただけでは、太平洋戦争について語ったことにはならないということになったのだろう。 しかし、実は「名将」編…

ラインの黄金

ワーグナー「ラインの黄金」、トマス・ステュアート(ヴォータン)、ゾルターン・ケレメン(アルベリヒ)、ペーター・シュライアー(ローゲ)ほか、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、演出、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、1981 カラヤン制作のオペラ映…

戦士たちの挽歌

『戦士たちの挽歌』フレデリック・フォーサイス(篠原慎訳)、角川書店、2002 フォーサイスの短編集。といっても、最後に収録されている「時をこえる風」は中編くらいの分量がある。フォーサイスの短編を読むのははじめてなのだが、この本に収録されている作…

オヤジ国憲法でいこう!

『オヤジ国憲法でいこう!』しりあがり寿、祖父江慎、理論社、2005 ティーンズ向けの「青春の悩み」本。そういえば昔松田道雄の『恋愛なんかやめておけ』とかあったなあと思い出す。 こういう本は説教っぽくなるか(もともと説教なんだからあたりまえだが)…

兵藤二十八軍学塾 日本の戦争Q&A

『兵藤二十八軍学塾 日本の戦争Q&A』兵藤二十八、光人社、2008 兵藤二十八の「軍学」本。ペリー来航以前から、第二次大戦あたりまでのトピックをカバーしている。だいたい時系列でトピックを並べているが、いつものとおりトピックの選択は体系的でない。しか…

愛の流刑地

「愛の流刑地」、豊川悦司、寺島しのぶほか出演、鶴橋康夫監督、「愛の流刑地」製作委員会、2007 愛ルケである。小説は読んでいない。のっけから寺島しのぶはトヨエツに馬乗りになってアヘアヘ言っていて、こっちものけぞった。寺島しのぶの濡れ場はかなりの…

近代日本の誕生

『近代日本の誕生』イアン・ブルマ(小林朋則訳)、ランダムハウス講談社、2006 『戦争の記憶』のイアン・ブルマによる日本近現代史の簡単な概説書。黒船来航から東京オリンピックの1964年までの時期を扱う。これだけの時期を邦訳でわずか210ページでまとめ…

眠狂四郎悪女狩り

「眠狂四郎悪女狩り」、市川雷蔵、藤村志保ほか出演、池広一夫監督、大映、1969 シリーズ第12作でこれが最終作。大奥の権力争いにからんで、年寄の久保菜穂子と大目付の小池朝雄が手を組んで隠れキリシタンの江原真二郎を使って偽狂四郎に仕立て、邪魔な者を…

日本の有名一族

『日本の有名一族』小谷野敦、幻冬舎新書、2007 小谷野敦による「系図集」。著者は子供の頃から系図好きだったそうで、中学生の頃から歴史小説を読んでは登場人物の系図を作っていたのだという。この本で取り上げられているのは、政治家や財界人をはじめとし…

童貞小説集

『童貞小説集』小谷野敦編、ちくま文庫、2007 処女小説といった場合の処女は比喩としての意味で使われているが、こちらの童貞は比喩ではなく、本物の童貞を描いた小説を集めたもの。三木卓「炎に追われて」、武者小路実篤「お目出たき人」、二葉亭四迷「平凡…

眠狂四郎人肌蜘蛛

「眠狂四郎人肌蜘蛛」、市川雷蔵、緑魔子ほか出演、安田公義監督、大映、1968 シリーズ第11作。冒頭からまた黒ミサのシーン。で、自分も黒ミサで犯された女の子だという兵庫(寺田農)が出てきて、狂四郎みたいになりたいなりたいとやたらうるさい。寺田農が…

戦争の見せ方

『戦争の見せ方』三野正洋、ワールドフォトプレス、2007 戦争宣伝についての本。「国家は戦争をどう伝えたか」「戦争報道とその真実」の二部立てになっていて、指導者の演説、放送での対敵宣伝、勲章、戦争博物館などのトピックについて、写真と文章が載って…

シェルター×サバイバル

「シェルター×サバイバル」、広島市現代美術館 「ファンタスティックに生き抜くための「もうひとつの家」」という副題がついているとおり、難民とか、ホームレスの人とかが暮らす「家」をちょっとアートっぽくつくってみました、という展覧会。空き缶ででき…

眠狂四郎女地獄

「眠狂四郎女地獄」、市川雷蔵、高田美和ほか出演、田中徳三監督、大映、 シリーズ第10作。眠狂四郎が佐伯藩のお家騒動に巻き込まれ、小沢栄太郎の国家老派と安部徹の城代家老派の両方に狙われるというお話。両派の剣客に田村高廣と伊藤雄之助がついていてけ…

中国に人民元はない

『中国に人民元はない』田代秀敏、文春新書、2007 中国経済についての本。中国経済にいろいろおかしなことがあるというのはいろんなところで聞く話だが、この本の内容からすれば、こんな状態で経済がまともに動いていることが不思議。汚職がひどいとか司法が…

眠狂四郎無頼控 魔性の肌

「眠狂四郎無頼控 魔性の肌」、市川雷蔵、鰐淵晴子ほか出演、池広一夫監督、大映、1967 シリーズ第9作。前回エロ要素が消えたのを反省(笑)したのか、今回はエロの大放出。冒頭から黒ミサのシーンになり、女の裸体(よく見ると体色と同じ色の下着だかメイク…

城塞

『城塞』(上、中、下)司馬遼太郎、新潮文庫、1976 題材は大阪の役。読み始めは、このネタでそんなに書くことあるのかなと思っていたが、とにかく徳川方の策謀(「ほとんど犯罪」とまで書いている)と、内通者だらけ、トップ不在、内部はバラバラ、の大阪方…

眠狂四郎無頼剣

「眠狂四郎無頼剣」、市川雷蔵、天知茂ほか出演、三隅研次監督、大映 1966 これが第八作。敵は大塩平八郎の残党、愛染(天知茂)。いままでの敵役の中では一番かっこいい。ピストルも使うが、なんと狂四郎と同じ円月殺法を使う。愛染一味の目的は大塩の復讐…

眠狂四郎多情剣

「眠狂四郎多情剣」、市川雷蔵、水谷良重ほか出演、井上昭監督、大映、1966 今度の狂四郎の敵役はまたまた家斉の娘菊姫(毛利郁子)。眠狂四郎につけている面を割られて、人三化七の顔を暴かれたことを根に持って復讐のために狂四郎を付け狙う。一方、狂四郎…

悲望

『悲望』小谷野敦、幻冬舎、2007 小谷野敦の小説集(といっても二編だが)。表題作の「悲望」は、著者自身が「私小説」と書いているが、簡単に言うと「片思い話」。しかも淡い片思いとか美しい片思いとかでなくて、かなり「痛い」片思い。もうダメなのがわか…

ワルキューレ

ワーグナー「ワルキューレ」、ジークムント:成田勝美、ジークリンデ:橋爪ゆか、ブリュンヒルデ:横山恵子、ウォータン:小森輝彦ほか(東京二期会公演)、飯守泰次郎指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、2008.2.20, 2.23(東京文化会館) NHK教育「芸術劇…

下妻物語

『下妻物語』嶽本野ばら、小学館、2002 これはかなりおもしろかった。実はわたしはこの本に登場するアイテムのほとんどに全くなじみがなく、ロリータ・ファッションとそのブランド、ヤンキー、暴走族の改造バイク、パチンコ、刺繍、下妻市と知らないものだら…

蘭亭序

「蘭亭序」、東京国立博物館 東京国立博物館と台東区立書道博物館の共同展示だが、書道博物館のほうには行っていない。東博のほうは定武本が四つ。それから扇面にかかれたものとか、対句を抜き書きしたものとか、焼け残った切れ端とか、いろいろ出ている。溥…

国宝薬師寺展

「国宝 薬師寺展」、東京国立博物館 東博にいった主な目的はこっちのほう。薬師寺展なんて実際に薬師寺に行けばいいのだが、まあせっかくやってるし、プレゼンテーションにも工夫があるだろうから、ということで行ってみた。混み混みとまではいえないが、そ…

江戸さくら探訪

「江戸さくら探訪」、東京国立博物館ギャラリートーク、2008.4.1 東博にいったら、運良くギャラリートークがあったので、参加してきた。しかし学校は休み中とはいえ、平日でこんなに人が多いのかと驚く。まあさくらの季節ですからね。 ギャラリートークの内…