2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

神田川

「神田川」、草刈正雄、関根恵子主演、出目昌伸監督、東宝、1974 「神田川」が歌だけじゃなくて、作詞家が書いた小説バージョンがある、というのはこの映画を見て初めて知った。もちろん小説のほうは読んでいないが、この映画は見ているこっちが恥ずかしくな…

水精

『水精』花輪和一、ペヨトル工房、1991 花輪和一の「中世もの」。あいかわらず全編ドロンドロンしている。だいたい時代的には平安期あたりの作品がほとんど。いろいろおもしろいが、やはり表題作の「水精」がいちばんよい。水精が尻の穴からからだにもぐりこ…

兵隊やくざ 殴り込み

「兵隊やくざ 殴り込み」、勝新太郎、田村高廣主演、田中徳三監督、大映、1967 兵隊やくざシリーズ7作目。ところが、話は前回の終わりからはじまるのではなく、いったん設定が切れてしまっている。大宮と有田の部隊はソ満国境にいるのではなくて大陸のどこか…

青春の殺人者

「青春の殺人者」、水谷豊、原田美枝子主演、長谷川和彦監督、ATG、1976 初めて見たのはいつだったか、もう思いだせない。たしか学部学生のときだったか。水谷豊のいきあたりばったりの果てのせっぱつまったさま、原田美枝子のアホっぷりもよいが、やはり市…

雑兵物語

「雑兵物語」、勝新太郎、船越英二主演、池広一夫監督、大映、1963 このころとしてはめずらしいマンガ原作の映画。戦国時代、銭で徴発される百姓どもが主人公のドタバタ喜劇。役者は、ほかに柳家金語楼、藤村志保、ミヤコ蝶々、毛利郁子、漫画トリオ(!)ほ…

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」、佐藤江梨子、佐津川愛美主演、吉田大八監督、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」製作委員会、2007 本谷有希子の原作は未読。しかしこれはおもしろい。登場人物はみな完全にイカレている。佐藤江梨子もそうだが、永瀬正…

めがね

「めがね」、小林聡美、もたいまさこ主演、荻上直子監督、めがね商会、2007 今日はこの映画ではなくて別の映画にいくはずだったのだが、上映日程をかんちがいしてこっちを見てしまった。これは当分やってるから今日見なくてもよかったのに…。 映画は非常によ…

解決はしません

『解決はしません』1-3、内田春菊、集英社、2002-2005 内田春菊のマンガは以前ずっとよく読んでいたのだが、最近さっぱり遠ざかっていた。ひさしぶりに読んでみたのは、この作品の絵柄が昔のものに比較的近かったから。話は、パニック障害にかかった女性がど…

風雲急なり大阪城 真田十勇士総進軍

「風雲急なり大阪城 真田十勇士総進軍」、天城竜太郎、田崎潤主演、中川信夫監督、新東宝、1957 新東宝の忍者もの。しかしどうにもこうにも作りが安い。70分の短い映画なのでぎりぎり辛抱できるのだが…。それに音楽がのっけから荒城の月、あとはさくらさくら…

統一コリア

『統一コリア』玄武岩、光文社新書、2007 朝鮮半島は、金大中、盧武鉉政権の宥和政策で統一に向かう、それも韓国による北朝鮮の吸収合併ではなく、「市民主導の統一」が可能なのだと主張する本。著者は韓国出身で、日本に留学し、現在北大の教員ということ(…

検証 戦争責任 I

『検証 戦争責任 I』読売新聞戦争責任検証委員会、中央公論新社、2006 読売はとっていないので知らなかったのだが、去年こういうタイトルの企画連載をやっていたらしく、それを単行本化したもの。しかし、「戦争責任」といってもどの立場から考えるかで意味…

「坂の上の雲」と日本人

『「坂の上の雲」と日本人』関川夏央、文芸春秋、2006 司馬遼太郎「坂の上の雲」を読みながら、小説の内容の周辺と日本人の変化について考えるという本。関川夏央は、年季の入った「司馬遼太郎読み」なので、内容は非常に充実している。帯には「もう読んだ人…

小説金日成 上下

『小説金日成』上下、李恒九(萩原遼訳)、文藝春秋、1994 題名から思いつくような、金日成の伝記小説ではなく、1991年から1992年までの非常に短い時期を扱っている。また金日成個人に焦点をあてた小説ではなく、むしろ労働党の中下級幹部らが主人公になって…

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序

「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序」庵野秀明総監督、クロックワークスほか、2007 エヴァンゲリオンの「再版バージョン」。設定、ストーリーともほぼテレビ版のヤシマ作戦のエピソードまでの部分を踏襲。大画面になって音響がよくなったくらいの違いか?あと…

色即ぜねれいしょん

『色即ぜねれいしょん』みうらじゅん、光文社文庫、2007 みうらじゅんの「青春もの」。高校1年生が「フリーセックスの島」という言葉につられて隠岐に旅行に行き、いろいろあるというおはなし。高校1年生の男なんて性欲以外のことはほぼ何も考えてないから、…

ニーナ・アナニアシヴィリと世界のスターたち

「ニーナ・アナニアシヴィリと世界のスターたち」、ニーナ・アナニアシヴィリ、ファルフ・ルジマートフ、イルマ・ニオラーゼ、ワジム・ピサレフほか、1991 Bunkamuraオーチャードホールでのバレエ・ガラ。この時ニーナは28歳ということになる。デビュー10周…

知識無用の芸術鑑賞

『知識無用の芸術鑑賞』川崎昌平、幻冬舎新書、2007 美術鑑賞に美術史の知識は無用と断じ、知識抜きで美術にどう斬りこむかという著者の方法論を論じた本。著者の主張は、「芸術には答えがある」と思い込むから「自分には芸術がわからない」という誤解が生じ…

スケアクロウ

「スケアクロウ」、アル・パチーノ、ジーン・ハックマン主演、ジェリー・シャッツバーグ監督、アメリカ、1973 アル・パチーノとジーン・ハックマンがどうしようもない雰囲気をかもしだしている。ジーン・ハックマンはこのころからこんなにやさぐれていたのか…

サマータイムマシン・ブルース

「サマータイムマシン・ブルース」瑛太、上野樹里主演、本広克行監督、ROBOT、東芝エンタテイメントほか、2005 「タイムマシンもの」のSFコメディ。あまり期待しないで見たが、いちおうコメディになっているし、まあSFっぽくなっている。もとは舞台上演の戯…

ベトナムめしの旅

『ベトナムめしの旅』伊藤忍、福井隆也、情報センター出版局、2004 ベトナムのいろいろな料理を北から南まで、食べあるく旅の本。しかし店の住所や地図が載っているわけではなく、観光客が普通行かない地域や現地の住人でないといかない店が多数紹介されてい…

シュガー&スパイス 風味絶佳

「シュガー&スパイス 風味絶佳」、柳楽優弥、沢尻エリカ主演、フジテレビ、東宝ほか、2006 この映画も去年から1年たったかどうかだが、もうテレビにまわってきた。で、見たのだが、映画館で見なくてよかった。原作の内容はおぼろげにしか覚えていないのだが…

空気と戦争

『空気と戦争』猪瀬直樹、文春新書、2007 猪瀬直樹の東工大での講義を本にしたもの。基本的には『昭和16年夏の敗戦』と同じエピソードであるが、歴史についてあまり知らない理系の学生に対する講義ということで、戦前日本と戦後日本の連続性、軍隊の組織など…

飲みに行こうぜ!!

『飲みに行こうぜ!!』二ノ宮知子、祥伝社、1999 マンガ喫茶の席の隣の棚にあったのでついつい読みました。二ノ宮知子は『のだめ』以外読んだことがなかったので、どんな感じなのかと思ったのだが…。表題作「飲みに行こうぜ!!」は会社の飲み会ネタ。雰囲…

どうもいたしません

『どうもいたしません』檀ふみ、幻冬舎文庫、2007 檀ふみのエッセイ集。日経流通新聞の月イチ連載を単行本にまとめたものが文庫におちてきた。前作『ありがとうございません』の続編。月イチ連載で70本収録されているということは、この本だけで5年分という…

アヒルと鴨のコインロッカー

「アヒルと鴨のコインロッカー」、濱田岳、瑛太主演、中村義洋監督、「アヒルと鴨のコインロッカー」製作委員会、2007 人にすすめられて見た。伊坂幸太郎の原作は未読。最初の30分は、ヘタな俳優、ひねりのない台詞にがまんできなくなり、もう少しで劇場を出…