2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

安全保障入門

石動竜仁『安全保障入門』星海社新書、2016 今月出たばかりの本。著者はブロガー。プロではない。しかも新書で「安全保障入門」というデカいタイトル。大丈夫なのか?と思ったが、これは非常な良書。 伝統的安全保障理論、軍事、平和研究、最近の問題、日本…

カノジョたちはアイドリング!!!だった。~2016 Summer~

あたば『カノジョたちはアイドリング!!!だった。~2016 Summer~』2016 アイドリング!!!メンバーの解散後情報を集積した薄い本。薄い本だが、内容は濃い。 アイドリング!!!は、解散と同時に自分の中では過去の人になってしまっていたが、本物のリン…

シン・ゴジラ

「シン・ゴジラ」、長谷川博己、竹野内豊ほか出演、庵野秀明監督、2016 とうとう見てきた。2日で2回行ったが、両方ともほぼ満席。 いまのヒット映画として、「いろんな切り取り方があることが大切」なことをちゃんと押さえている。第1作の内容を踏まえた怪獣…

帰ってきたヒトラー(映画版)

「帰ってきたヒトラー」、オリヴァー・マスッチほか出演、デヴィッド・ヴェント監督、ドイツ、2015 この映画、田舎には回ってくるのが遅く、やっと見られた。大きくはない劇場で土曜日だったことを考えても、客はほぼ満員で、それなりに人気はあるということ…

野党という病い

筆坂秀世『野党という病い』イースト新書、2016 筆坂秀世の野党評論本。自民党や民進党のことも大きく取り上げているのだが、読ませるのはやはり共産党の部分。 選挙制度批判をしてると思ったら、小選挙区比例代表並立制の批判をしているのではなく、選挙運…

新・日本共産党101問

治安問題研究会『新・日本共産党101問』立花書房、2012 警察の初級者向き共産党本。前著、警備研究会『日本共産党101問』立花書房、1988が、2004年の補訂第四版まで改訂されたものを、再改訂して出した直したもの。 「このように、『衣の下に鎧』を着て現体…

CDジャーナル 上坂すみれ×吉田豪

「上坂すみれインタビュー(×吉田豪)」、『CDジャーナル』2016.9 日頃は全然買わないこの雑誌。上坂すみれへの吉田豪インタビューが出ているので買ってみた。巻頭4ページから12ページまである。 上坂すみれの趣味の起源がいろいろ明かされていて、それが値…

真田丸 #33

「真田丸」 #33 「動乱」 家康を襲撃しようとする石田三成。賛成しているのは、宇喜多秀家と小早川秀秋のみ。しかも石田三成は単独で襲撃すると言っているが。 しかし徳川屋敷襲撃は、小早川配下の板部岡江雪斎から、徳川方に漏れてしまう。本多正信の策は、…

日本共産党研究

産経新聞政治部『日本共産党研究 絶対に誤りを認めない政党』産経新聞出版、2016 産経の「共産党煽り本」。第一章が「SEALDsと共産党」と来た。SEALDsが共産党にすり寄っているのではなく、その逆なので、これをいっしょにするのはムリが・・・と思ったが、…

バイコヌール宇宙基地の廃墟

ラルフ・ミレーブス『バイコヌール宇宙基地の廃墟』三才ブックス、2015 これはすばらしい写真集。現カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地にある、「エネルギアーブラン」計画の廃墟を写したもの。 射場もかっこいいのだが、なんといっても見どころは、「…

岡山の駅

難波数丸『岡山の駅』日本文教出版、1972 岡山文庫の45巻目。岡山の国鉄、私鉄の駅をだいたい網羅している。著者は大正三年生まれ。元朝日新聞、中国新聞記者。 口絵は、伯備線最後のSL運転とか、吉井川を渡る新幹線とか、岡山駅、岡山一番街、宇野駅など味…

軍用ドローン年鑑

井上孝司、竹内修『軍用ドローン年鑑』イカロス出版、2016 年鑑というからには、刊行年がついてないと、と思うが、それはない。しかし書籍ではなく、雑誌扱い。日進月歩の分野なので、こういう扱いの方がいいのだろう。 120ページなのに、2500円するのだが、…

真田丸 #32

「真田丸」 #32 「応酬」 秀吉は死亡。しかし、出浦昌相は生きてる・・・。あんなに斬られたのに。秀吉の遺体は塩漬けにして、棺に入れられた。秀吉の死は秘密だが、噂はひろまっていく。 石田三成は、老衆、奉行十人の合議ですべて決めるシステムを作ろうと…

巨神兵東京に現わる

「巨神兵東京に現わる 劇場版」、樋口真嗣監督、2012 展覧会「館長庵野秀明 特撮博物館」のための、短編映画。内容は巨神兵が東京を壊しまくるだけ。しかし、これはかっこいい。 東京の町も実写と特撮セットの上手な組み合わせ。前半は、林原めぐみのナレー…

「音楽狂」の国

西岡省二『「音楽狂」の国 将軍様とそのミュージシャンたち』小学館、2015 北朝鮮音楽の本。著者自身が延吉で中国語を学んでいた時に、朝鮮人(北朝鮮からの派遣)音楽教師についてピアノを学んでいたエピソードから、ファンキー末吉の北朝鮮ロック・バンド…

黄金バット(1966映画版)

「黄金バット」、千葉真一、山川ワタルほか出演、佐藤肇監督、東映、1966 これは珍作。黄金バットの映画化第2作。第1作は1950年製作だが、そっちとはぜんぜん関係なく、1967年放送のアニメ版のためのパイロット版みたいなもの。とはいえ、こっちは実写なので…

B-CAS事故 '8674422'

鳥取ループ『B-CAS事故 '8674422' 2012年テレビ視聴制限崩壊の真実』示現舎、2013 2012年にB-CASカードのプロテクトが破られて一部で大騒ぎになった事件の顛末を書いた本。この問題、出版物としてはこの本と『ラジオライフ』以外ほとんど取り上げているもの…

吉田豪の「雑談天国」渋谷編~ゲスト・上坂すみれさんを迎えて~

吉田豪の「雑談天国」渋谷編~ゲスト・上坂すみれさんを迎えて~、渋谷LOFT9、2016.8.13 渋谷LOFT9という7月にできたばかりの箱(ロフトの9軒目というはなし)であったトークショー。このチケットが当たって、本当によかったわ。ファンクラブ抽選は外れ、一…

上坂すみれの文化部は大手町を歩く

上坂すみれの文化部は夜歩く編『上坂すみれの文化部は大手町を歩く』インプレス、2016 夏コミの企業ブースで手に入れてきた。 上坂すみれのラジオ番組イベントを文字起こししした薄い本。 前半はミリタリー関係のトークで、話の中身はいつものミリタリーネタ…

武器輸出と日本企業

望月衣塑子『武器輸出と日本企業』角川新書、2016 武器輸出三原則の改定関係で新しいことが書かれているかと期待して読んだが、これはただのダメ本。著者は、中日新聞記者。ろくでもないわ。帯に「森達也氏推薦」と大きく書いてあったので、いやな予感はして…

自由と民主主義をもうやめる

佐伯啓思『自由と民主主義をもうやめる』幻冬舎新書、2013 タイトルはこのようになっているが、内容は「保守主義」の解説。 著者の見解では、自由も民主主義もそれ自体が正しいというものではなく、基本的には「容器」なので、その中に歴史的に積み重ねられ…

核に魅入られた国家

会川晴之『核に魅入られた国家 知られざる拡散の実態』毎日新聞出版、2016 著者は毎日新聞編集委員。この本は、パキスタン、イラン、日本を取材してまとめた本。 パキスタン編が一番よく書けていて、パキスタンが核武装に至った経緯が当事者への取材で明らか…

残念な政治家を選ばない技術~「選挙リテラシー入門」~

松田馨『残念な政治家を選ばない技術~「選挙リテラシー入門」~』光文社新書、2016 これは好著。著者は1980年生まれ、「選挙プランナー」。今はだんだん一般的になってきた、「契約で他人の選挙運動に対してアドバイスする仕事」の人。この仕事を始めて10年…

真田丸 #31

「真田丸」 #31 「終焉」 石田三成は、5人の「老衆」の決定を、奉行で補佐という名目で制約することを考える。奉行には大谷吉継がもともと入っていたが、本人の希望で外れ、5人になる。 石田三成は、徳川家康に秀吉の遺言を念押しするが、家康は遺言の内容を…

ミラーマン(パイロット版)

「ミラーマン」(パイロット版) 話には聞いていたミラーマンのパイロット版を初めて見た。これ、あまりにもかっこ悪い。 まず、ミラーマンは等身大。造形は実作版に近いが、口から下は人間のまま。作りもきれいにできていない。それにドラマ本編にミラーマ…

しないことリスト

pha『しないことリスト』大和書房、2016 『ニートの歩き方』の著者、phaの本。この本も、基本的に「無理するな」をリストとして書きだしたもの。 この本に書いてあることを全部実践できたら聖人だが、著者もそんなことは要求しておらず、「適当に取捨選択し…

ドキュメント72時間 ブラジル 祈り満つる秘密の聖地で

「ドキュメント72時間」、「ブラジル 祈り満つる秘密の聖地で」、NHK総合、2016.8.4 オリンピックで放送が休止になる前のブラジル特集。しかしオリンピックはまったく関係なく、「ブラジリアン魔術」の聖地ロケ。さすがブラジル、こんなものがあるのだ。 サ…

誰が沖縄を殺すのか

ロバートD・エルドリッヂ『誰が沖縄を殺すのか 県民こそが”かわいそう”な奇妙な構造』PHP新書、2016 著者の近著。ちょっと微妙な本。 言いたいことはわからないでもなく、事実関係は著者の視点でまとまっているが、かなりの部分は自分の恨みで書かれた本。 …

真田丸 #30

「真田丸」 #30 「黄昏」 伏見城は地震で倒壊。作り直しになったが、時間がないので、秀吉の屋敷だけを建てることになった。城の修築にやる気を出していた昌幸はがっかり。 難破したスペイン船から積み荷を没収しようとする秀吉だが、信繁から以前積み荷の略…

芸能人はなぜ干されるのか

星野陽平『芸能人はなぜ干されるのか 芸能界独占禁止法違反』鹿砦社、2014 非常におもしろい本。著者は1976年生まれ、フリーライター。もともと芸能を扱っていた人ではなく、この本のために調査を始めたという人。それがよかった。利害関係者ではないので、…