2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

中国の論理

岡本隆司『中国の論理 歴史から解き明かす』中公新書、2016 岡本隆司の中国史の本。新書一冊、それも230ページくらいの薄さで、よくここまで書けると思うが、相変わらず明快な説明。 中国史を説明する基本的な理屈がいくつか提示される。まず「歴史」。歴史…

日本史のまめまめしい知識 第1巻

日本史史料研究会編『日本史のまめまめしい知識』第1巻、岩田書院、2016 新書サイズの日本史の本。しかし、270ページくらいの本なのに、33編の論文がある。正確には、論文というには少し短いサイズで、注も厳密ではなく、各編の終わりに文献リストがあるのみ…

真田丸 #47

「真田丸」 #47 「反撃」 前回の徳川方の砲撃が本丸に命中して、大坂方はいきなり和睦に傾いた。片桐且元は、徳川方でわあわあ言っているが、無視されている。茶々の気分が変わってしまったので、信繁もどうにもできない。 信繁は、徳川方の狙いは牢人解雇だ…

クローズアップ現代+

「クローズアップ現代+」、「恋人いらないってホント?出現!”いきなり結婚族”」、NHK総合、2016.11.24 最近の国立社会保障・人口問題研究所の調査で、未婚者の中で「交際相手がいない」と答えた人の割合が急増したというので、出たのがこの企画。しかし・・…

真田丸 #46

「真田丸」 #46 「砲弾」 一度失敗した徳川家康は、全軍を3つに分けて、毎夜鬨の声をあげさせる。初めは城中も笑っているが、だんだん、 信之は、福島正則との約束通り、自分が大坂に出向いて兵糧を運び込もうとするが、それを止めるのは稲。そして、久しく…

真田丸 #45

「真田丸」 #45 「完封」 戦が始まり、木津川砦と今福砦が徳川方に攻撃されて陥落。しかし徳川方の主攻正面は南側で変わらない。毛利勝永は、城の内情が徳川方に漏れていると信繁に相談する。信繁も、情報を漏らしているのは、織田有楽斎だと推測する。 福島…

真田丸 #44

「真田丸」 #44 「築城」 信繁は、城の南側に出城を築くことにする。同じアイディアを思いついていたのは、後藤又兵衛。信繁は、出城の用法を又兵衛に説明して、出城の築城を譲ってもらう。しかしこの作戦は、有楽斎と大蔵卿局の反対でひっくり返されてしま…

真田丸 #43

「真田丸」 43話 「軍議」 これが10月30日の回なので、もう1ヶ月遅れている。早く消化しなければ。 信州の真田家に、「幸村が大坂方についた」という報せが入り、信之は姉を大坂に遣わして、幸村に前線に出ないように伝えさせる。 徳川家康は、片桐且元から…

Fランク化する大学

音真司『Fランク化する大学』小学館新書、2016 著者は元大学教員。商社員として幹部社員になったが、そこから大学院に入り直し、博士論文執筆のために会社は辞めて学位を取得。2011年から2016年まで3つの大学で非常勤講師を務めたが、2016年で大学の教職を辞…

韓非子

富谷至『韓非子 不信と打算の現実主義』中公新書、2003 『韓非子』の解説にとどまらず、そこから中国の法意識を考えていこうという本。非常におもしろい。 『韓非子』は、『荀子』と並んで、法家の代表的な本だが、内容は相当違う。『荀子』は性悪説だが、『…

公明党

薬師寺克行『公明党 創価学会と50年の軌跡』中公新書、2016 今年出た公明党の本だが・・・。内容は、だいたい新聞記事と関係者の著書をまとめたというもの。著者独自のリサーチはあまりない。 公明党は、まともな本がないものなので、これでもないよりはマシ…

創価学会の研究

玉野和志『創価学会の研究』講談社現代新書、2012 創価学会研究の比較的最近の本。創価学会の末端組織で、会員が何をしているかを調べているという意味では評価できる内容。 著者は、自身が「創価学会の御用学者扱いされている」と述べているが、創価学会を…

ドキュメント72時間 福岡・中洲 真夜中の保育園

「ドキュメント72時間」、「福岡・中洲 真夜中の保育園」、NHK総合、2016.11.18 朝7時から夜中の2時まで開いている中洲の保育園の回。もう40年続いているというので、ここでは老舗。長時間やっているので、親の仕事はバラバラ。朝の仕事も夜の仕事もなんでも…

ドキュメント72時間 北アルプス 天空のテント村

「ドキュメント72時間」、「北アルプス 天空のテント村」、NHK総合、2016.11.11 先週の放送。長野県、穂高連峰の「涸沢」という山小屋とテント村が同居しているところが撮影地。 当然登山客しか来ないが、場所が場所だけに装備が重い。カメラと三脚を持って…

ウィーン国立歌劇場 ワルキューレ

ワーグナー 「ワルキューレ」 アダム・フィッシャー指揮、スヴェン=エリック・ベヒトルフ演出 ジークムント:クリストファー・ヴェントリス フンディング:アイン・アンガー ヴォータン:トマス・コニエチュニー ジークリンデ:ペトラ・ラング ブリュンヒル…

日中関係史

岡本隆司『日中関係史 「政冷経熱」の千五百年』PHP新書、2015 この著者の本はいつもおもしろいが、この本も期待に違わずおもしろい。日中関係を通観した本。通観というのは、「漢書地理志」の時代から、現代までの通史ということ。 もちろん新書ですべての…

日本神判史

清水克行『日本神判史 盟神探湯・湯起請・鉄火起請』中公新書、2010 神判裁判の歴史についての本。盟神探湯のことは昔読んだが、この話は8世紀に書かれた『日本書紀』に出ている。ところが、この後、室町時代まで、神判裁判についての歴史がはっきりしない。…

現代美術コレクター

高橋龍太郎『現代美術コレクター』講談社現代新書、2016 高橋龍太郎の「現代美術+現代美術をコレクションすること」についての本。まあ、高橋龍太郎はおそろしい。ちょっと前に、この人の個人コレクションの展覧会が、オペラシティのギャラリーで開かれてい…

トーマス・ルフ展

「トーマス・ルフ展」、東京国立近代美術館、2016.11.11 これは写真の展覧会。竹橋の近所に用事があったのでついでに行ってきた。 トーマス・ルフは、1958年生まれのドイツ人。歴史的に見てきたものは、そんなに変わらないはず。で、この写真家が何を写して…

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」 結局、つづけて2日、行ってきた。昨日、ていねいに見たので、今日はピックアップしてみたいものだけみればよし。行ってみて、非常によかった。 昨日は書き間違えていたが、最初にあったの…

禅 心をかたちに

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」 これは行ってよかった展覧会。タイトルどおり、臨済1150年、白隠250年遠忌ということで、臨済・黄檗宗の各派が持っている寺宝を全部出してきたというもの。 最初に置かれていたのが、雪舟…

ヒラリー・クリントン

春原剛『ヒラリー・クリントン─その政策・信条・人脈』新潮新書、2016 なんとかかんとか言っても結局勝つだろうと思われていて結局負けちゃったヒラリー・クリントン。今となっては何を言ってもむなしいが、この本は読まれるべきもの。ヒラリーがどういう人…

ダンジョン飯 3

九井諒子『ダンジョン飯』3、KADOKAWA、2016 ダンジョン飯の3巻。おもしろさがまったく落ちないどころか、新機軸があって、さらに楽しめる。 この巻でパーティーに、タンス夫婦というのが加わった。学者だって。この学者、蘇生術を持っている。しかも、仮死…

バカざんまい

中川淳一郎『バカざんまい』新潮新書、2016 中川淳一郎のエッセイ本。「バカ」をけなすようなスタイルだが、実際は、いつもの通り、ちょっと引いた視点で物事に対して突っ込んでいるというもの。特別に何かをディスっているというわけではない。 というか、…

バーナード嬢曰く 3

施川ユウキ『バーナード嬢曰く』3、一迅社、2016 バーナード嬢ことド嬢の3巻。あいかわらず、ズレているド嬢だが、前の巻のように、最初から読まずに済ませるよりも、それなりに本を読むようになってきた。これはド嬢のキャラをかなり変えているし、このシリ…

ゲレクシス 1

古谷実『ゲレクシス』1 講談社、2016 朝日の書評欄のコミック評でとりあげられていたのがこれ。はっきりいって、わけがわからない。 最初は、バウムクーヘン一筋の39歳のおっさんが、公園で美人を見つけ、惚れ込むという話。しかし、話しかけてみたら、美人…

真田丸 #42

「真田丸」 #42 「味方」 真田が大坂城に入ると、豊臣家を実質的に仕切っているのは、茶々と大蔵卿局、それから織田有楽斎。大野治長は付録みたいなもので、裏方。 城に入っていたのは、後藤又兵衛と毛利勝永。扱いが違うのですぐにもめるが、それを見た幸村…

歌舞伎町・ヤバさの真相

溝口敦『歌舞伎町・ヤバさの真相』文春新書、2009 溝口敦の「歌舞伎町の歴史」本。最初の部分で、「自分は歌舞伎町に四十年出入りしているが、危ない目に会ったことは一度もない」と書いている。それはそうだろうと思うが、この本自体は、歌舞伎町のヤバい話…

ドキュメント72時間 夢見る巨大画材店

「ドキュメント72時間」、「夢見る巨大画材店」、NHK総合、2016.11.4 東京、新宿の世界堂でのロケ。1階から5階までが売り場。客がどんな人かといえば、外国人多い。観光客もいれば、マンガを描いている人も。マンガ描いている人は、本業は金融業で、趣味でマ…

ドキュメント72時間 黄昏のゴルフ打ちっ放し

「ドキュメント72時間」、「黄昏のゴルフ打ちっ放し」、NHK総合、2016.11.3 東京、足立区のゴルフ練習場。ここは東京でも老舗の練習場。1階から4階まであって、みんなガンガン打っている。家族で来ている人、カップルで来ている人、いろいろいる。多くはあま…