2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

新聞社

河内孝『新聞社』、新潮新書、2007 「破綻したビジネスモデル」との副題が示すとおり、新聞社の経営方法が破綻の瀬戸際にたっていることを明らかにし、対応策を提示する本。新聞社の部数競争が、恒常的な「残紙」の増大を生み、結局のところ売れない新聞を自…

親米と反米

吉見俊哉『親米と反米』、岩波新書、2007 タイトルから連想されるような親米意識と反米意識を対比的に描くような本ではなく、親米と反米の両方の契機を含みながら、日本社会でアメリカという存在がどのように内面化されていったかを描く本。近代性、占領、米…

日米関係とマスメディア

石澤靖治『日米関係とマスメディア』、丸善ライブラリー、1994 この種の本としては出版年が古いものを読むのはちょっと問題なのだが、それでも読んでおいて損はなかった。特に日本とアメリカでのジャーナリストの養成過程、マスメディアの位置づけと、日米の…

公明党VS.創価学会

島田裕巳『公明党VS.創価学会』、朝日新書、2007 題名にVS.と入っていることに奇異な感じをもったが、本の中で説明されているように、公明党は創価学会の単なる丸抱え組織ではなく、両者の間にはさまざまな複雑な経緯があったことがていねいに説明されている…

フィラデルフィア美術館展

「フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術」、京都市美術館 東京でやっていたときにいってもよかったのだが、京都に回ってきたのでこっちで見ることにした。写実主義からエコール・ド・パリあたりまでのヨーロッパ美術に加えてアメリカ美術14点が入…

小澤征爾 音楽セミナー

「小澤征爾 音楽セミナー2007」、京都コンサートホール 小澤征爾が主宰している「音楽セミナー」の公開レッスンのチケットが当たった(タダ)ので、出かけてきた。明日、京都コンサートホールで開かれるコンサート(こっちのチケットは即完売で手に入らなか…

日本男児

赤瀬川原平『日本男児』、文春新書、2007 赤瀬川原平の本はいつもおもしろい。これだけおもしろ打率の高い作家はそういないだろう。しかしどこがおもしろいのか、はっきり言葉で説明しようとするとむずかしい。そういう微妙なところで人が見過ごしている大事…

大学病院のウラは墓場

久坂部羊『大学病院のウラは墓場』、幻冬舎新書、2006 題名は際物っぽいが、内容は非常に真摯な、日本の医療体制に対する診断と告発の本。著者は医師から作家になった人で、阪大医学部卒業なので、周囲に医療業界、特に医学部、大学病院の関係者も多く、事実…

大空に乾杯

「大空に乾杯」、吉永小百合、浜田光夫主演、斉藤武市監督、日活、1966 吉永&浜田コンビもので、吉永小百合はスチュワーデス。全日空が全面タイアップ。しかしこの頃の全日空の制服はイマイチで萌えない。吉永はやたら「愛が、愛が」とうるさいし、両親のあ…

金正日と日本の知識人

川人博『金正日と日本の知識人』、講談社現代新書、2007 北朝鮮問題についての日本の知識人の言論を批判する本。俎上にのせられているのは、姜尚中、和田春樹、佐高信、水島朝穂。中心的に批判されているのはやはり姜尚中。姜が、「正義よりも平和」といって…

きょうの私はどうかしている

越智月子『きょうの私はどうかしている』、小学館、2006 なんでこの本を借りてきたのか、よくわからない。図書館で予約していた本が届いたという連絡が来たので、借りてきたらこの本だった。しかしなぜこの本を予約したのか、どうして知ったのか、まったく思…

アイデン&ティティ

「アイデン&ティティ」、峯田和伸、中村獅童主演、田口トモロヲ監督、東北新社ほか、2003 ほとんど原作のコミックに忠実なつくり。脚本は宮藤官九郎だが変わった書き方はなにもなく、原作をそのまま画面に直している。峯田和伸は格好から顔のつくりから、原…

「在日」論の嘘

浅川晃弘『「在日」論の嘘』、PHP研究所、2006 「在日」(もちろん朝鮮人のことだが)についての議論を取り上げてかなり厳しく批判する本。俎上におかれているのは、姜尚中、朴一、辛淑玉、井筒和幸、テッサ・モーリス=スズキ、鄭香均(東京都保健師管理職…

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?

ひろゆき『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』、扶桑社新書、2007 著者名をあえて西村博之とせず、「ひろゆき」としているように、かなり2ちゃんねらーを読者にあてこんだようなつくり。内容はひろゆきの「語りおろし」をまとめて本にしたもの。もともとひ…

笑う大天使

「笑う大天使」、上野樹里、関めぐみ、平愛梨主演、小田一生監督、「笑う大天使」フィルムパートナーズ、2005 川原泉の原作は未読。しかしこれはどうにもなっていない。原作に問題があるのか、脚本に直す時点でまちがってるのか(どうもこれが一番ありそう)…

戦国自衛隊1549

「戦国自衛隊1549」、江口洋介、鹿賀丈史主演、手塚昌明監督、「戦国自衛隊1549」製作委員会、2005 人によってずいぶん評価の分かれる作品なので、いままで見ないままだったが、これもありがたいスカパーのおかげで、なんとか見ることができた。リメイクとい…

年金問題の正しい考え方

盛山和夫『年金問題の正しい考え方』、中公新書、2007 年金問題について、主要な論点を取り上げて、さまざまな意見の当否を論じた本。論点がきれいに整理されていて非常に有益。一読していままで自分が年金問題についてもっていた知識の多くが間違っていたり…

ブンブン堂のグレちゃん

グレゴリ青山『ブンブン堂のグレちゃん』、イーストプレス、2007 マンガの新刊書を買うことはめったにないのだが、大きなマンガ専門書店(というか同人誌もいっぱい置いてるオタクショップ)で平台積みされていたのでひょいと買ってしまった。これはほんとう…

鮫肌男と桃尻女

「鮫肌男と桃尻女」、浅野忠信、小日向しえ主演、石井克人監督、東北新社、1999 原作のマンガは未読。ヤクザの金を持ち逃げ中の鮫肌としがないホテルの従業員の桃尻がいっしょに逃避行、という非常にありがちな話。しかし、映像はよく撮られていて、それなり…

花神

司馬遼太郎『花神』上、中、下、新潮文庫、1976 司馬遼太郎の大村益次郎伝。ちなみに手元の本は、2005年の発行で八十四刷。幕長戦争から戊辰戦争にかけての長州藩軍、官軍の総指揮官で日本陸軍の創設者たる大村だが、坂本龍馬とは反対に、痛快さというものに…

裁判官の爆笑お言葉集

長嶺超輝『裁判官の爆笑お言葉集』、幻冬舎新書、2007 実はタイトルがどうも気に入らなくていままで読んでいなかったのだが、読んでみてその先入観は間違いだとわかった。ただ、タイトルはややミスリーディングで、内容は笑えるものばかりではない。けっこう…

となり町戦争

三崎亜紀『となり町戦争』、集英社、2005 前から読みたいと思っていて、機会がなかったのだが、図書館の書棚でたまたま見つけてきた。いや、これはおもしろい。たしかに戦争しているのだが、それを実感させる機会はほとんどなく、唯一敵の「査察」があるとい…

参議院なんかいらない

村上正邦、平野貞夫、筆坂秀世『参議院なんかいらない』、幻冬舎新書、2007 元参院議員三人による参議院についての鼎談本。いろんな意味で非常におもしろい。特に参院自民党がどういう形で権力を握っていったかについての記述が興味深い。歴代の参院議長や参…

憲兵とバラバラ死美人

「憲兵とバラバラ死美人」、中山昭二主演、並木鏡太郎監督、新東宝、1957 新東宝の憲兵シリーズ。何年か前に「憲兵と幽霊」といっしょに見たのだが、今回NECOで放送されたのはなぜかこっちの一本だけ。おどろおどろしいタイトルのわりに、内容はふつうの探偵…

大巨獣ガッパ

「大巨獣ガッパ」、川地民夫、山本陽子主演、野口晴康監督、日活、1967 これも初見。まあどんな話かはおおよそ聞いてはいたが、「ロストワールド・ジュラシックパーク2」とほぼ同じ話。もちろんこっちが先だけど。南洋テーマパークで一儲けをたくらむ出版社…

やりにげ FUCK&RUN

「やりにげ FUCK&RUN」、水道橋博士主演、金田敦監督、TJC、1997 みうらじゅんの原作から、もしかしてちょっとおもしろいのかも?と思ってみたら、予想は悪いほうに当たった。くだらないのはしかたがないとして、つまらない。単にエロムービーだと思って見る…

アルゴ探検隊の大冒険

「アルゴ探検隊の大冒険」、トッド・アームストロング主演、ドン・チャフィ監督、イギリス、アメリカ、1963 これも見なくちゃと思い続けていた映画でやっと見られた。話はほぼイアソンとアルゴ探検隊のお話のまま(一部違うが)。1963年でクレイアニメでこれ…

アラバマ物語

「アラバマ物語」、グレゴリー・ペック主演、ロバート・マリガン監督、アメリカ、1962 最初に見たのは小学校のころだったと思うが、以来いままで見る機会がなかった。やはり名作。グレゴリー・ペックの静かな力強さは他のヒーローの追随をゆるさない。ジェム…

大当り狸御殿

「大当り狸御殿」、雪村いづみ、美空ひばり主演、佐伯幸三監督、東宝、1958 東宝(正確には宝塚映画)製作の狸御殿もの。カラー。雪村いづみはお城のお姫様だが、見合いを嫌って逃げ出す。しかし御殿の外にはお姫様にそっくりな町娘(雪村いづみ、二役)がい…

兵隊やくざ 俺にまかせろ

「兵隊やくざ 俺にまかせろ」、勝新太郎、田村高廣主演、田中徳三監督、大映、1967 兵隊やくざシリーズも第六作。大宮も有田も今度は歴戦の部隊の木崎独立守備隊に配属されている。しかしもう第三作あたりでソ連が攻めてきたはずなのだが、いったい彼らの戦…