2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

蛇娘と白髪魔

「蛇娘と白髪魔」、松井八知栄、高橋まゆみ主演、湯浅憲明監督、大映、1968 1968年製作でモノクロ??と思ったが、これはモノクロで正解。絶対にそのほうがコワイ。原作は楳図かずおで、少女漫画にいかにもありそうな恐怖要素がてんこもり。孤児院で育った、…

ジュリエットゲーム

「ジュリエットゲーム」、村上弘明、国生さゆり主演、鴻上尚史監督、フジテレビ、1989 鴻上尚史の初監督作。脚本も同じ。第三舞台がいちばん元気がよかったころの作品で、第三舞台の主な俳優もみな出演している。村上弘明は小学校の教員で、家庭は離婚寸前、…

少子社会日本

山田昌弘『少子社会日本』、岩波新書、2007 少子化問題の基本的原因を格差問題で解釈しようとする本。非常におもしろかった。著者の基本的な疑問は、「女性が働き続けようとすることが少子化の原因」(または、女性は働き続けることと出産の間でジレンマを抱…

ザ・ギフト・オブ・ミュージック

「ザ・ギフト・オブ・ミュージック」(ドキュメンタリー)、ホラント・ホールフェルト監督、アメリカ、1993 レナード・バーンスタインの生涯をつづったドキュメンタリー映画。バーンスタインは1990年に72歳で亡くなったので、死後3年してから生誕75周年を記…

新書 忍びの者

「新書 忍びの者」、市川雷蔵、安田道代主演、池広一夫監督、大映、1966 忍びの者シリーズ八作目。これが最終作となった。時代はまたまた巻き戻しで、武田信玄が織田、徳川氏と対抗している頃。市川雷蔵は名前も新しくなり、霞小次郎。忍者だった父親を殺さ…

忍びの者 新霧隠才蔵

「忍びの者 新霧隠才蔵」、市川雷蔵、田村高廣主演、森一生監督、大映、1966 忍びの者シリーズ七作目。時代はまた五作目終了時、つまり大坂夏の陣直後に戻り、主人公はあいかわらず霧隠才蔵。しかし、真田父子は死んだことになっていて、六作目とは別の設定…

いつまでもデブと思うなよ

岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』、新潮新書、2007 岡田斗司夫はいつのまにか激やせしていたので、どういうふうにやせたのかと思って読んでみた。帯には著者がもうダブダブになってしまった昔のズボンをはいて、いまの腹囲がどのくらい縮んだかを強調…

メメント

「メメント」、ガイ・ピアース主演、クリストファー・ノーラン監督、アメリカ、2000 これは用があって見なければいけなかったのだが、非常な集中を必要とする映画。生半可に見てしまったので、頭の中でストーリーが再構成できないという情けないことになって…

忍びの者 伊賀屋敷

「忍びの者 伊賀屋敷」、市川雷蔵、八千草薫主演、森一生監督、大映、1965 忍びの者シリーズ六作目。冒頭、霧隠が出てくるがいきなり松平伊豆守の行列に切り込んだあげく、自害。霧隠に子どもがいた(妻はいつできたんだ??)という設定で、市川雷蔵は二代…

忍びの者 続霧隠才蔵

「忍びの者 続霧隠才蔵」、市川雷蔵主演、池広一夫監督、大映、1964 前回から話は続いていて、夏の陣の敗戦から逃れて島津へ走る真田親子と霧隠才蔵。途中で大助はやられてしまうが、なんとか幸村と霧隠は薩摩へたどりつく。しかし、櫓一丁の小船で大坂から…

ヴェローナ・スペシャル・ガラ

「ヴェローナ・スペシャル・ガラ」、ライモンディ、オブラスツォワ、カバリエ、ドミンゴ、コロ、カレーラスほか、マドリード交響楽団、1988 ちょっと古い録画だったが、歌手は非常に豪華。もう亡くなった人もいるので、これだけの歌手はもう揃わない。一人一…

明日のエトワールたち

「明日のエトワールたち」、ドキュメンタリー、ジェローム・ラベルザ監督、フランス、2002 またまたパリ・オペラ座のドキュメンタリー。こちらはナンテールにあるオペラ座の付属バレエ学校のほうに焦点があてられている。バレエ学校の生徒は11歳から16歳まで…

富江

「富江」、中村麻美、菅野美穂主演、及川中監督、大映、アートポート、1999 これもちょっと昔の映画。菅野美穂がコワイという話だったが、まあそこそこという感じ。富江=菅野美穂が男にとりついて、狂わせたり自殺させたりした挙句、自分も男に殺されるのだ…

忍びの者 霧隠才蔵

「忍びの者 霧隠才蔵」、市川雷蔵、磯村みどり主演、田中徳三監督、1964 忍びの者シリーズ四作目。市川雷蔵主演は同じでも、役柄は霧隠才蔵になり、前作までとの話の連続性はない。石川五右衛門が信長の伊賀攻めから、大阪夏の陣まで活躍するというわけには…

新忍びの者

「新忍びの者」、市川雷蔵主演、森一生監督、大映、1963 忍びの者シリーズ三作目。前回釜煎りになったはずの五右衛門、生きてました。しかし釜煎りといっても、映画でやってるのは釜茹でだし、釜茹でって、水の状態で釜に入れてじっくり煮込むのかと思ってい…

青蛇風呂

「青蛇風呂」、島田竜三、毛利郁子主演、弘津三男監督、大映、1959 毛利郁子ヘビ映画の三本目。大きな料理屋同士の祝言の宴の席に、捕り方が踏み入ってきて盗みの罪で花婿を連れて行ってしまう。当然婚約は破談。動揺する主人夫婦のところに番頭が、「盗まれ…

執念の蛇

「執念の蛇」、島田竜三、近藤美恵子主演、三隅研次監督、大映、1958 またまた大映ヘビ映画。こっちでは毛利郁子は完全な悪役。大店の主人は娘の近藤美恵子の婿に手代をとろうとするが、実は手代は娘の踊りのお師匠さんの毛利郁子ともデキていた。毛利郁子は…

白蛇小町

「白蛇小町」、梅若正二、中村玉緒主演、土屋欣三監督、大映、1958 時代劇専門チャンネルで蛇映画三連発というのをやっていたので見てみた。一本一時間内外で簡単に見られる。お話もシンプル。ヘビ女優毛利郁子が全部出てる。 昔、女中と出来たあげくにその…

健全なる精神

呉智英『健全なる精神』、双葉社、2007 呉智英の評論集。まああいかわらずの呉節なので、おもしろい。ところどころ外してるなと思うところもあるが。吉本隆明を「老醜をさらしている」と断じているところは、そのとおりだと思う。昔の文章や業績はともかく、…

時刻表ひとり旅

宮脇俊三『時刻表ひとり旅』、講談社現代新書、1981 本屋で帯に「名著復刊」とあったのでひょいと買ってしまった。宮脇俊三は名前は知っていたが、いままで本を読んだことはなかった。『時刻表2万キロ』も読んでいない。しかしこの本はよい。まだ分割民営化…

明治天皇と日露大戦争

「明治天皇と日露大戦争」、嵐寛寿郎主演、渡辺邦男監督、新東宝、1957 むかしむかし子どものころに見たはず。内容はほとんど覚えていなかったが、アラカン明治天皇が出征兵士にいたわりの声をかける(笑)場面を見て、こりゃ見たわ、と思い出した。内容はも…

センセイの鞄

「センセイの鞄」、小泉今日子、柄本明主演、久世光彦演出、KANOX、WOWOW、2003 川上弘美の原作は未読。もともとWOWOW単独放送のためのテレビドラマとしてつくられたようだ。ちょっと調べたのだが、やたらと賞をとっている。それも納得。傑作である。小…

大惨事世界大戦

「大惨事世界大戦」、ロレッタ・スウィット、ピーター・クック主演、トム・バスマン監督、イギリス、1986 南米の小国がイギリスとの係争地になっていた「サンタマヤ」に攻め込み、すぐにイギリス軍に奪回されてしまうが、今度は従軍していた王女を人質に。イ…

徳川慶喜

松浦玲『徳川慶喜』増補版、中公新書、1997 維新史を専門とする歴史家による徳川慶喜の評伝。史実に照らして精密であることはもちろん、非常に筆の立つ人で、ぐいぐい読ませる魅力がある。司馬遼太郎『最後の将軍』とはかなり別の視点で徳川慶喜を描いており…

蜘蛛巣城

「蜘蛛巣城」、三船敏郎、山田五十鈴主演、黒澤明監督、東宝、1967 話はまんまマクベス。よって、驚くようなエピソードとかは別になし。しかし役者の演技と巧みな演出で、見せ場は十分。妻、浅茅役の山田五十鈴にはなんかとりついてるのではないか?ヘタな怪…

カルメン

ビゼー「カルメン」、エレナ・オブラスツォワ(カルメン)、プラシド・ドミンゴ(ホセ)、カルロス・クライバー指揮、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団、1978 ウィーン国立歌劇場のカルメン。演出はゼッフィレッリなので細かいところが非常に行き届いてい…

エトワール

「エトワール」、(ドキュメンタリー)、ニルス・タヴェルニエ監督、フランス、2000 パリ・オペラ座バレエ団のドキュメンタリー映画。タイトルのエトワールは、このバレエ団のトップダンサーの称号。とにかく生活のすべてをバレエにささげているという人たち…

西園寺公望

岩井忠熊『西園寺公望』、岩波新書、2003 最後の元老、西園寺公望の評伝。西園寺の生涯は明治維新から太平洋戦争直前に及び、特に政治的に活躍した時期は明治の終わりから大正、昭和にわたるから、西園寺の伝記はそのまま帝国日本の歴史を概観することになる…

<私>の愛国心

香山リカ『<私>の愛国心』、ちくま新書、2004 駄本。自分の意見と対立する右派やその見解を精神医学の用語を使って「病気」扱いしているだけの本。香山リカは、自分が歴史のこともナショナリズムのこともほとんど知らないのに、聞きかじり程度の知識でそうい…

京都でのんびり

小林由枝『京都でのんびり』、祥伝社黄金文庫、2006 最近数冊京都本を買ったらはずればかりで、あたりはこれだけ。しかしこれはけっこうおもしろかったのでよかった。著者は京都在住の人なので、出ていることがこまかいし、観光客が立ち入らないようなところ…