2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ダイアモンド博士のヒトの秘密 #8

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第8回、「”進化”から見た文明格差」 この回は、文明の格差について。ダイアモンドの得意技。 文明の格差は、基本的に農業が起こった時期の格差に依存していて、この理由は、栽培や家畜化が可能な動植物は限られているから。…

徹底抗戦都市モスクワ

小泉悠ほか『徹底抗戦都市モスクワ 戦い続ける街を行く!』ホビージャパン、2018 モスクワを軍事観光しようと言う視点から見た、新しい観光ガイドブック。 ただの軍事博物館巡りだけではなく、街で見かける特殊部隊や警察、防空部隊の配置、冷戦時代に作られ…

ダイアモンド博士のヒトの秘密 #7

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第7回、「農業は人類に何をもたらしたのか」 農業の起源と影響というおはなし。人間以外の動物で農業を行うのはハキリアリだけ。これも生産を拡大していくことがむずかしい。 ダイアモンドは、ニューギニアで狩猟採集民を見…

北朝鮮で何が起きているのか

伊豆見元『北朝鮮で何が起きているのか 金正恩体制の実相』ちくま新書、2013 2013年半ば、金正恩が指導者になってから、1年半の時点での、著者による北朝鮮ウォッチングの内容とその分析に関する本。 著者の観察では、金正恩の政策は、基本的には金正日時代…

校閲記者の目

毎日新聞校閲グループ(編)『校閲記者の目 あらゆるミスを見逃さないプロの技術』PHP、2017 新聞の校閲記者が何をしているかということについての本。基本的には日本語のミスが中心だが、それだけではなく、事実の間違いその他を含む。校閲は、「間違いをゼ…

薬害でっちあげ

村中璃子『薬害でっちあげ あまりに非科学的な子宮頸がんワクチン阻止運動』新潮社、2017 著者が、科学報道で賞をとったことで有名になったこの話、読んでみたが、本当に驚いた。 子宮頸がんワクチンの「副反応」とされるものは、実際にはワクチンのものでは…

アニー・ホール

「アニー・ホール」、ウディ・アレン、ダイアン・キートンほか出演、ウディ・アレン監督、アメリカ、1977 これはひさしぶりに見た。公開時に見ていたということはないと思うが、公開後、それほどたたない時期に見たはず。 ウディ・アレンの映画は1990年代始…

半分、青い 第2週

「半分、青い」第2週、「聞きたい!」 まだ子役の週。しかし主人公の片耳失聴がわかる回なので、けっこう重要。この子役があまりかわいくないが、元気と前向きな姿勢で非常によい。 片耳だけなのでぜんぜん聞こえなくなるわけではないが、母親はけっこう深刻…

蒙求

(今鷹眞訳)『蒙求』角川ソフィア文庫、2010 ビギナーズ・クラシックスの一冊なので、抄訳。このシリーズ、古典の抄訳で、内容には粗密があるが、簡単に中国と日本の古典に取り付けるので便利。そんなに長くないのでサクサク読める。興味が持てれば、全訳を…

ダイアモンド博士のヒトの秘密 #6

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第6回、「不思議いっぱい ヒトの寿命」 この回は、寿命。小動物の寿命が短いのは、食べられてすぐに死ぬ可能性が高いため。ヒトはそうではないので、限界120歳まで生きている。 問題は閉経。子供を産まなくなった後で生きて…

史記の風景

宮城谷昌光『史記の風景』新潮文庫、1997 宮城谷昌光の史記エッセイ。エッセイといっても、史記の文章をそのまま紹介するのではない(それだと翻訳)ので、史記の記述に、他の史書や白川静の漢字研究を参照して、いろいろな解釈をほどこしている。 著者自身…

シャーデンフロイデ

中野信子『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感』幻冬舎新書、2018 「シャーデンフロイデ」というのは、他人の不幸を喜ぶ感情。これがオキシトシンによって生み出されるというのが著者の言っていること。オキシトシンは、他人との連帯を強めるよう…

日本陸軍の基礎知識

藤田昌雄『日本陸軍の基礎知識 昭和の生活編』潮書房光人新社、2018 陸軍の兵営生活についての本。副題は昭和の生活となっているが、図版は明治、大正期のものも収録されている。 軍刀、軍装などの記述から、炊事場(烹炊所)の様子、将校、下士官、兵一人あ…

フェミニズムと戦争

鈴木裕子『フェミニズムと戦争 婦人運動家の戦争協力』マルジュ社、1986 戦時中の婦人運動家がどのように戦争に協力していたかについての本。取り上げられているのは、高良とみ、羽仁説子、市川房枝、山高しげり、奥むめお。それに「中央協力会議」に参加し…

黙殺

畠山理仁『黙殺 信じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』集英社、2017 選挙で、「独自の戦い」をしている泡沫候補のルポルタージュ。著者は「泡沫候補」という言い方を好まないので、「無頼系独立候補」と呼んでいる。 マック赤坂から始まって、いろんな泡…

チンパンジー

中村美知夫『チンパンジー ことばのない彼らが語ること』中公新書、2009 著者は、チンパンジー研究者。非常におもしろい本。 野性のチンパンジーに貼り付いて、ずっと観察を続ける仕事。チンパンジーは、ヒトに見られていることを知っているのだが、その状態…

ダイアモンド博士のヒトの秘密 #4

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第4回、「性と出会いのメカニズム 人種の起源」 Eテレでやっていたシリーズの4回目。性淘汰と人種の起源の話。 性淘汰では、外見の魅力は、自分の顔に似た人、しかし似すぎてもいない人が好まれる。「似すぎてもいない」は…

半分、青い 第1週

「半分、青い」第1週、「生まれたい!」 今季の朝ドラ。主役はまだ子役。 主人公は1971年生まれという設定になっている。これだと現時点で47歳という計算になるから、見ている人とシンクロしている。やたら「マグマ大使」ネタが出ていて、本物のマグマ大使の…

弱者の戦略

稲垣栄洋『弱者の戦略』新潮社、2014 『オスとメスはどちらが得か?』の著者による生物学本。内容はかなりの程度かぶっている。しかしそれでもおもしろいし、この本が提供しているネタもあるので、そんなに問題はない。 タイトルは、生物が取っている生き残…

アフター・ヒトラー 前・後編

「BS世界のドキュメンタリー」、「アフター・ヒトラー」前後編、NHKBS1、2018.1.1 フランスのテレビ局が制作した、第2次世界大戦直後のヨーロッパについてのドキュメンタリー。 これで一番驚いたのは、戦後の東欧諸国でのドイツ人迫害。迫害というには生温い…

オスとメスはどどちらが得か?

稲垣栄洋『オスとメスはどちらが得か?』祥伝社新書、2016 これは非常におもしろかった。生物の生態戦略みたいな本。 性別はなぜ2種類なのかということから始まって、生物が遺伝子を残すために取っている戦略の多様性を説明している。性別の基本はメス。メス…

花図鑑 1

清原なつの『花図鑑』1、早川書房、2004 この『花図鑑』、清原なつのが「大人ネタ」を描くようになった最初のマンガということだが、初出は1990年となっている。まだバブル、30年近くも昔のこと。掲載誌は『ぶ~け』。これもなつかしい。 『ぶ~け』だから、…

カレー沢薫の廃人日記

カレー沢薫『カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~』幻冬舎、2018 カレー沢薫の新刊。2つの連載の合本で、夫との夫婦生活(とソシャゲ生活)についての「カレー沢薫のカレーなる夫婦生活」と、ソシャゲ専用の「カレー沢薫の廃人日記~オタク沼地獄~」が内…

雨降り姫と砂漠王子

清原なつの『雨降り姫と砂漠王子』小学館、 清原なつの「お伽ファンタジーシリーズ」の2巻。こちらのほうが、作者の好みが前の巻より前面に出ている。 「バブル姫とロスジェネ王子」は、時代を感じる。作者はバブルの時に30歳前くらいだったはずなので、バブ…

マイティジャック 10話

「マィティジャック」10話、「爆破指令」 何回見てもあまりおもしろくないマィティジャック。とはいえ、10話はそんなにつまらなくはない。 Qの黒崎工場を探すまでの話、黒崎市が警察も含めてすべてQに操作されているところ、Qのジャンボー受け取り委員に化け…

妻の秘蜜 夕暮れてなお

「妻の秘蜜 夕暮れてなお」、天使もえ、飯島大介ほか出演、城定秀夫監督、2016 城定秀夫のエロ映画。義父とヨメもの。 この設定のエロ映画や小説とは違い、これはヨメが義父の毒牙にかかって・・・という話になっていない。むしろ、義父はヨメをかばってやる…

花子とアン 第26週

「花子とアン」第26週、「曲り角の先に」 この週が最終週。「赤毛のアン」が出版されたところで終わり。 まず、吉平の葬式。安東家の吉平以外のメンバーが全部揃った。それから花子と蓮子様の和解。どうするのかと思っていたが、花子が戦争協力のことを詫び…

人魚姫と半魚人王子

清原なつの『お伽ファンタジー 1 人魚姫と半魚人王子』小学館、2009 清原なつのは、Kindleでいくらでも読めることがわかったので、買ってしまった。これはある意味、『花岡ちゃんの夏休み』の「その後」みたいなもの。 セックス要素が入った、「王子様とお姫…