2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

記憶力を強くする

池谷裕二『記憶力を強くする』、講談社ブルーバックス、2001 帯にひかれて買ってしまったが、非常におもしろい。内容は記憶のしくみに関する科学的知見とそれに基づく記憶強化の方法について。脳の仕組みに関する説明は同じブルーバックスの『脳の科学』より…

1973年のピンボール

村上春樹『1973年のピンボール』、講談社、1980 「風の歌を聴け」と同じような感じだが、気のせいかこちらのほうがだいぶ読みやすくなっているような。しかし、直子との関係、双子との関係、鼠、翻訳業、ピンボールといったそれぞれの流れがどうも頭の中で焦…

保守思想のための39章

西部邁『保守思想のための39章』、ちくま新書、2002 あいかわらずの西部節だが、中でもこれは力を入れて書いていると思う。最初の方の「情報の空虚」あたりはつまらなかったので途中で読むのをやめようかと思ったが、その後の部分がおもしろかったので結局読…

風の歌を聴け

村上春樹『風の歌を聴け』、講談社、1979 たまたま読んだ『海辺のカフカ』が面白かったので、「村上春樹全作品1979-1989」を借りてきたのだが・・・。 これははっきりいってぜんぜん面白くない。というか理解できない。わたしがアホなだけなのか?ともかく後数…

右翼・行動の論理

猪野健治編、衛藤豊久、野村秋介、阿形充規、蜷川正大『右翼・行動の論理』、ちくま文庫、2006 もともと猪野、衛藤、野村の三人の鼎談を『行動右翼入門』と題して1988年に刊行したものに、阿形、蜷川(両人とも野村の弟子)との鼎談を一章分つけくわえ、改題…

坂の上の雲(八)

司馬遼太郎『坂の上の雲』(一)~(八)、文春文庫、1999 結局最後まで読んでみて、前回とは印象が少し変わった。やはり日本海海戦がこの本のハイライトで、この部分が一番いい。司馬遼太郎は断片を細密に描き、それを組み上げて全体として構成のしっかりし…

国家と情報

大森義夫『国家と情報』、WAC、2006 「日本のインテリジェンス機関」の著者の新著。偶然書店で見つけたので買ってしまった。といっても、内容は『選択』に連載されすでに単行本化されている『「インテリジェンス」を一匙』に加筆改稿した新版。一部は「日本…

ブロークバック・マウンテン

「ブロークバック・マウンテン」アン・リー監督、ヒール・レジャー、ジェイク・グレンホール主演、2005 今年のアカデミー監督賞ほかいろいろ賞をもらっている。ゲイの恋愛ものということでちょっとどうしようかとおもっていたが、見てみることにした。監督は…

さびしいまる、くるしいまる

中村うさぎ『さびしいまる、くるしいまる』、角川文庫、2006 中村うさぎは雑誌で読んだことはあったような気がするが、本として読むのははじめて。いままで人にすすめられたこともあったのだが、ブランド物の買い物狂ということだったので、ブランド物にあま…

日本のインテリジェンス機関

大森義夫『日本のインテリジェンス機関』、文春新書、2005 著者は元内閣情報調査室長。内容は、情報活動に関わった著者の回顧と反省、それをもとにした日本の情報活動に対する提言、といったもの。 この類の本としてはとてもおもしろく読めた。というのはこ…

新選組始末記

「新選組始末記」、市川雷蔵主演、三隅研次監督、大映、1963 自分の備忘録を敬体で書くのもおかしいので、文章を常体に直す。 さて、子母沢寛の原作は読んでいたが、この映画は時代劇専門チャンネルで録画したまま放置してたのを今頃見てみた。結果から言う…

半畳壱畳弐合半

「半畳壱畳弐合半」『子連れ狼』第19回、1973、日本テレビ スカパーの時代劇専門チャンネルで「子連れ狼」の再放送を3月からやりだしました。この前見てから三年くらいしかたってないので、とりあえず全部録画、おもしろいものだけピックアップして見ていま…

坂の上の雲

司馬遼太郎『坂の上の雲(六)』、文春文庫(新装版)、1999 というわけでいきなりコレです。そんなもの今頃読んでいるのかといわれそうですが、ほんとに読んでいませんでした。司馬遼太郎は主に戦国もの、それから維新ものでは例外で新選組ものしか読んでい…

はじめます

いままでブログをやるつもりなどさらさらなかったのですが、友人から読書日記のようなものをつけてみてはどうかといわれて感じるところがあり、はじめることにしました。 たしかに読んだ本の内容はかたっぱしから忘れてしまうので、自分でメモをつけていると…