サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで

「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」国立新美術館、2017.10.1


国立新美術館の今の展覧会、これはもう1度見ていて、本当は安藤忠雄の展覧会を見ようかとも思ったが、こっちも見るものはたくさんある(ありすぎ)のと、あまり時間がなかったので、安藤忠雄はまた今度ということにした。

ほとんど全部が東南アジア諸国の政治や社会問題がらみの展示物。いまごろ、現代美術なんてそういうものがほとんどだけど、日本ではそういうものとの絡みはうすい(日本では政治や社会のネタはあまり受けない)ことを考えると、異様な感じがする。もっとも東南アジアの美術作家が日本美術を見れば、逆に異様な感じを持つだろうから、それはおあいこ。

おもしろかったのは、ホー・ルイ・アン「ソーラー:メルトダウン」というビデオ講義。熱帯に来たアメリカ、ヨーロッパ人にとって、熱帯というものがどういうものだったかを講義するというもの。講義のネタは、映画。昔のいろんな映画のクリップが映されて、それに対して作家がコメントする。「王様と私」では、主人公の家庭教師がタイ人の子供相手にしゃべりまくっているのだが、「話せば話すほどお互いのことが分かり合えてハッピーになりますよ」という一種の洗脳ビデオみたいなもの。「王様と私」って、昔みた記憶があるけど、こういう映画だったっけ?タイ人が子供なのをいいことに、家庭教師のおねえさん(アンナ)はくだらないことを言い放題。

このビデオ、おもしろかったのだが、全部で60分あるとのことで、全部見ている時間がないので、やむを得ず途中で放棄。しかし、こんなに映画のクリップを使っているのだが、許諾取ってるのか?「王様と私」だけでなく、いろんな映画のクリップがある。「王様と私」は1956年公開なので、まだ著作権が残っている作品。ほかも許諾は取ってないだろう。作品リストを見ると「作家蔵」となっているので、個人用作品ということなんだろうけど。

これは福岡アジア美術館に巡回するので、もしかしたら行ってみるかもしれない。