2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

環境問題のウソ

池田清彦『環境問題のウソ』、ちくまプリマー新書、2006 地球温暖化、ダイオキシン、外来種規制、自然保護の四つの問題について、生物学者が一般常識に挑戦する、という本。地球温暖化は人為的原因によるものではない、ダイオキシン放出の害はいわれているよ…

現代アメリカのキーワード

矢口佑人、吉原真里編『現代アメリカのキーワード』、中公新書、2006 アメリカについて81のキーワードをとりあげ、それについてのエッセイを集めた本。中公新書にしてはけっこう厚く、350ページほどある。テロ事件以後の政治的な問題が多くとりあげられてい…

中年童貞

渡部伸『中年童貞』、扶桑社新書、2007 話題の「中年童貞」本。第一章は「中年童貞」についての統計(未婚率、出生動向基本調査など)がとりあげられているのだが、統計の読み方に問題があり、ほとんど空振り。後の章は「日本童貞連合」に集う人たち、ナンパ…

トコリの橋

「トコリの橋」、ウィリアム・ホールデン、グレイス・ケリー主演、マーク・ロブソン監督、アメリカ、1955 話には聞いていたが、スカパーでかかったのでやっと見ることができた。朝鮮戦争ものの映画はほとんど見ていないので新鮮。ほとんど空母と飛行機のプロ…

スキン+ボーンズ-1980年代以降の建築とファッション

「スキン+ボーンズ-1980年代以降の建築とファッション」、国立新美術館、2007.6.6-8.13 国立新美術館にいったもともとの目的はじつはこちらを見ること。「モネ」と対照的に、こちらの展示室にはほとんど誰もいない。見張りのおばさんとおねえさんのほうが…

大回顧展モネ

「大回顧展 モネ」、国立新美術館、2007.4.7-7.2 国立新美術館ははじめて。ほんとはこれが主目的ではなかったのだが、この展覧会だけが異様に混んでいたので、こっちも見ることにしてしまった。入場で20分待ち。月曜日の午前中、それも小雨なのに、異常だ…

まほろ駅前多田便利軒

三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』、文芸春秋、2006 図書館で予約していたのがやっと来た。著者の直木賞受賞作。これもやはりおなじ設定で、いろんなエピソードが入っている連作短編集になっている。最初の犬の引き取り手を探すエピソードは、導入はいいけ…

ユマ・サーマンの運命の人を探して

「ユマ・サーマンの運命の人を探して」、ユマ・サーマン、ジーナ・ローランズ主演、ミラ・ネアー監督、アメリカ、2002 HBOのテレビ・ムービー。ユマ・サーマンが男を探してはフラレるダメダメ女を演じている。母親役のジーナ・ローランズも同じような人生を…

エロスは甘き香り

「エロスは甘き香り」、高橋長英、桃井かおり主演、藤田敏八監督、日活、1973 むかしむかし、にっかつになる前のロマン・ポルノ。冒頭に横田基地とおぼしき飛行場に大型輸送機がたくさん並んでいるところが映って、ベトナム戦争の最中だったことを思い起こさ…

マンガ狂につける薬 下学上達篇

呉智英『マンガ狂につける薬 下学上達篇』、メディアファクトリー、2007 著者の『ダ・ヴィンチ』誌連載を単行本化したもの。すでに同じタイトルで出ているものの続編になる。「マンガと活字をブリッジする」と著者が書いているが、これが高いレベルでできる…

ベルリン・フィルと子どもたち

「ベルリン・フィルと子どもたち」,ロイストン・マルドゥーム、サイモン・ラトルほか(ドキュメンタリー)、トマス・グルベ、エンリケ・サンチェス・ランチ監督、ドイツ、2004 ラトルの子どもたちを集めて、「春の祭典」をベルリンフィルで演奏し、それに合…

集中講義!日本の現代思想

仲正昌樹『集中講義!日本の現代思想』、日本放送出版協会、2006 思想史家の著者が、80年代以後の「日本の現代思想」について、非常に要領よくまとめた本。前史となる日本のマルクス主義思想や「サヨク思想」についても、きちんとカバーされている。「日本の…

最後の将軍

司馬遼太郎『最後の将軍』、文藝春秋、1967 司馬遼太郎の徳川慶喜伝。徳川慶喜はかんたんにはわかりにくい人物だが、この小説はそのわかりにくさをうまく描くことに成功している。その政治的生涯の中の大政奉還までの非常に活動的だった時期と、それに続く鳥…

アウトランド

「アウトランド」、ショーン・コネリー主演、ピーター・ハイアムズ監督、アメリカ、1981 木星のイオにある鉱山での犯罪をネタにしたSFサスペンスもの。宇宙基地の造形その他の美術がエイリアンにやたら似ている、と思ったら、こちらの方が公開が2年遅いとい…

TAKESHI'S

「TAKESHI'S」、ビートたけし主演、北野武監督、バンダイビジュアルほか、2005 全編、たけしの妄想全開。売れてるたけし、売れないたけし、映画をつくってるたけし、映画に出たいけど出られないたけし、大俳優のたけし、コンビニ店員のたけし、それからもち…

竜馬がゆく

司馬遼太郎『竜馬がゆく』1巻~8巻、文春文庫(新装版)、1998 なんだかんだで読破するのに一ヶ月近くかかった。しかしこれくらいおもしろい小説はそうはない。司馬遼太郎の一番の傑作というだけのことはある。これに比べると『坂の上の雲』は小説の出来とい…

お葬式

「お葬式」、山崎努、宮本信子主演、伊丹十三監督、ATG、1984 伊丹十三特集を録画しておいたものをようやく見られた。淡々としている中に笑えるエピソードや、細かい描写がちりばめられていて、飽きない。役者はみな上手い。山崎の愛人役の高瀬春奈が山崎に…

右翼・ナショナリズム伝説

松本健一『右翼・ナショナリズム伝説』、河出書房新社、1995 松本健一が右翼と自分のかかわりから問題を拾い出して書いたエッセイ。分析的なところもあり、感傷的なところもあり、いろんな意味で味がある。また、右翼が直面していた(現在も突き当たっている…

昼下りの決斗

「昼下りの決斗」、ランドルフ・スコット、ジョエル・マクリー主演、サム・ペキンパー監督、アメリカ、1962 ようやく見ることができた。これは名作。金塊輸送の仕事を引き受けた元保安官と昔の友人、その仲間の若者の道中に、厳格な父親のもとから逃げ出そう…

千利休 本覺坊遺文

「千利休 本覺坊遺文」、奥田瑛二、三船敏郎、萬屋錦之介主演、熊井啓監督、SEIYU、1989 井上靖の原作は未読。とにかくキャストが豪華な映画で、ほかに芦田伸介、加藤剛、上條恒彦、東野英治郎ほか。製作はSEIYUで、バブル真っ盛りの時期に堤清二が文化事業…

小泉政権

内山融『小泉政権』、中公新書、2007 小泉政権で従来日本政治の特徴とされていた幾つかの部分、相対的に弱い首相のリーダーシップや鉄の三角形による部分単位の利益政治などの特徴はかなり変わった。それが小泉純一郎という個人の特性と、選挙制度や行政改革…

小泉政権

内山融『小泉政権』、中公新書、2007 小泉政権で従来日本政治の特徴とされていた幾つかの部分、相対的に弱い首相のリーダーシップや鉄の三角形による部分単位の利益政治などの特徴はかなり変わった。それが小泉純一郎という個人の特性と、選挙制度や行政改革…

小泉政権

内山融『小泉政権』、中公新書、2007 小泉政権で従来日本政治の特徴とされていた幾つかの部分、相対的に弱い首相のリーダーシップや鉄の三角形による部分単位の利益政治などの特徴はかなり変わった。それが小泉純一郎という個人の特性と、選挙制度や行政改革…

小泉政権

内山融『小泉政権』、中公新書、2007 小泉政権で従来日本政治の特徴とされていた幾つかの部分、相対的に弱い首相のリーダーシップや鉄の三角形による部分単位の利益政治などの特徴はかなり変わった。それが小泉純一郎という個人の特性と、選挙制度や行政改革…

小泉政権

内山融『小泉政権』、中公新書、2007 小泉政権で従来日本政治の特徴とされていた幾つかの部分、相対的に弱い首相のリーダーシップや鉄の三角形による部分単位の利益政治などの特徴はかなり変わった。それが小泉純一郎という個人の特性と、選挙制度や行政改革…

小泉政権

内山融『小泉政権』、中公新書、2007 小泉政権で従来日本政治の特徴とされていた幾つかの部分、相対的に弱い首相のリーダーシップや鉄の三角形による部分単位の利益政治などの特徴はかなり変わった。それが小泉純一郎という個人の特性と、選挙制度や行政改革…

日本政治の対立軸

大嶽秀夫『日本政治の対立軸』、中公新書、1999 90年代の日本政治を、政党間の対立軸という視点から分析した本。選挙制度改革がすぐには政党間の明確な対立軸をつくれなかったこと(現在も半ばはそうなっている)の理由を分析している点は重要。その点、中井…

かんかん蟲は唄う

「かんかん蟲は唄う」、勝新太郎、峰幸子主演、三隅研次監督、大映、1955 勝新太郎初期の一作。正義感の強い船のサビ落としの工員役の勝新がまだ見ぬ父を求めて奔走したり、悪人をやっつけたりと大活躍、という話。勝新の声があまりに違い、やたら透き通って…

いちご白書

「いちご白書」、ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー主演、スチュアート・ハグマン監督、アメリカ、1970 この映画をはじめて見たのはいつのことだったか、学生のときだったかもしれない。クーネンの原作は未読。しかしこんなに気合の入った映画だとはま…

日本の戦争力VS.北朝鮮、中国

小川和久、坂本衛『日本の戦争力VS.北朝鮮、中国』、アスコム、2007 タイトルからは北朝鮮、中国の軍事力に焦点があたっているように読めるが、それはこの本の記述の約半分ほどで、後の半分は日本の安全保障の構想、危機管理への組織的対応策といった問題に…