アンモラル・カスタマイズZ

カレー沢薫『アンモラル・カスタマイズZ』太田出版、2012


これは、『ブスの本懐』の元になった連載が、本来このマンガの販促のためのコラムだったという事情があったので、ではネタ元のマンガも読んでみようということでトライ。おもしろい。

ホモと童貞(っぽい男)、あとムササビしかいない出版社で、新しく女性ファッション誌を出すことになり、女の編集者が必要だということで、募集したら、短大を出たばかりの20歳の女、沢尻小雪が来た。これが、素材はそんなに悪くないが、太め、化粧なし、服ダサすぎ、男経験なしという逸材。

この小雪が女性雑誌の編集をしていくうちに、「女子力向上」していくというもの。というか、このマンガが女性誌をネタにして、女子の実態を暴くという趣旨。結局小雪はイケメンモデルとデキてしまったのかと思いきや、別につきあうわけではなく、ただ前向きに生きるようになっただけというオチ。

『ブスの本懐』ほど笑えたわけではないけど、これはこれでおもしろい。2013年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作ということだが、納得。作者の初期の作品なので、絵はどうやってもヘタだが、ヘタなところも含めていいと思う。『ブスの本懐』で出てくるネタの出典は、多くはこれ。