待てあわてるなこれは孔明の罠だ

原寅彦、横山光輝『待てあわてるなこれは孔明の罠だ 横山光輝三国志名言名場面200選』宝島社、2014


このタイトルで検索すると、この本がヒット。こんなものが出ていたとは知らなかったわ。横山三国志の場面を切り取って、解説をつけた本。「あのシーンが読みたい」という時に、いちいちマンガを探さなくてもすむ。

長い横山三国志のどこを切り取るのかが問題だが、有名場面はもれなくピックアップされている。タイトルになっている司馬懿のセリフは、これで1コマ。「そんなことは無理だ」は別のコマだったのだ。古い話なので忘れてた。

孔明出廬までの部分はこの本の三分の一しかなく、それよりも、コミックスの後半部分、劉備入蜀やら三国鼎立、孔明北伐の場面が多めに切り取られている。コミックスの後半部分をよく覚えていなかったので、これはありがたい。

こうして読むと、コミックスの最初の方は、セリフごと吉川英治版そのまま。中盤以後に、横山光輝独特の擬音やセリフが出てきて、横山三国志っぽくなっている。吉川三国志は繰り返し読んだのだが、横山三国志は、マンガ喫茶なんかで飛び飛びに読んでいたことが多く、記憶がまだらになっていた。この本のおかげで助かった。

Amazonで検索すると、横山三国志は、今年、2017年にB5版、639ページの新版が『大判 三国志』というタイトルで潮出版社から出た。しかし電子版はなし。これは紙で買えという神のお告げだ。この本は買ってよかった。