中年女子画報 44年目の春

柘植文『中年女子画報 44年目の春』竹書房、2017


このシリーズの2冊目。著者のおもしろ取材ネタを描いたコミックエッセイ。

読んでいておもうのは、著者はヒマをじょうずに潰せる人。健康ランド大衆演劇を見るという回は、朝10時に川越の健康ランドに行き、芝居が始まるのが1時、芝居と歌謡ショーの2部構成で終わると3時半。5時間半、健康ランドにいることになっている。それも著者はあんまり長湯はできないと書いているのに・・・。これは芝居が2時間半(30分は休憩)で終わるからまだまし。

演芸場(浅草東洋館)では、昼の部は12時始まりで、4時間ある。休憩は15分。そんなに見ていたら、おしりがすりきれると思うが、著者も他の客もけっこう楽しんでいる。自分的には、映画でも4時間は絶対にムリ。まして、演芸場の漫才なんかは全部おもしろいわけではないし、有名人は終わりの方で出て来る。それまでガマン?忍耐力というか、そういうものだと思わなければできないこと。

うらやましいのは、ミニ旅行。長野、山梨、熱海、茨城、あと釣り(これは横浜)。だいたい日帰りだが、泊まりもあり。しかし、釣りは自分にはつらそう。というか、昔連れて行かれたときもつらかった。たぶん、釣り糸をたらしている間にスマホの画面を見てしまいそう。

何かしていないといけないというようなセコイところがないのが、ほんとうにうらやましいところ。著者がけっこう人見知りをする性格っぽいところもよいと思う。ただの明るい性格では、こういうエッセイにはならないはず。