60分で名著快読 クラウゼヴィッツ『戦争論』

川村康之『60分で名著快読 クラウゼヴィッツ戦争論』』日経ビジネス人文庫、2014


2004年にナツメ社から出た『図解雑学 クラウゼヴィッツ戦争論』の文庫化したもの。元の版はタイトルで非常に損をしていて、程度の低い本のように見られているが、この版も同じ傾向がある。しかし、クラウゼヴィッツに食いつくための手がかりとしては、一番読みやすい。

現実にこの本が60分で読めるのかというと、さすがにそれは無理。しかし、3時間くらいあればちゃんと読めるはず。実際に『戦争論』の内容を第1、2、3、4,6・7、8の各編ごとに要約してくれている。それにナポレオン戦争クラウゼヴィッツ本人の生涯、『戦争論』の後代への影響、現代における意義を説明する章がつく。

著者はレクラム版の翻訳者の一人で、クラウゼヴィッツ屋なので、内容はちゃんと噛み砕いてある。図もわかりやすい。これを再版してくれた日経はたいへんありがたい会社。この本を読んで、パレットの本を1冊読んでから、翻訳に取り付けばなんとかなりそう。