#中東情勢

イスラーム主義

末近浩太『イスラーム主義 もう一つの近代を構想する』岩波新書、2018 著者は、中東地域研究者。主なフィールドはレバノンとシリア。 イスラム主義が、ヨーロッパの侵入とその後の混乱打開のために生み出されたもので、一種の「逆の近代化」だというのはそう…

イスラームとの講和

内藤正典、中田考『イスラームとの講和 文明の共存をめざして』集英社新書、2016 この二人の対談本なので、だいたいのことは見当がついていたが、基本的には、イスラム世界と西洋世界は、距離をとって共存すべきという議論。 しかし共存といっても、実際には…

バシャール・アサド 独裁と冷血の処世術

「BS世界のドキュメンタリー」、「バシャール・アサド 独裁と冷血の処世術」、NHKBS1、2017.5.23 金正恩と並ぶ時の人、シリア大統領のバシャール・アサドのドキュメンタリー。制作はフランスのテレビ。アサドと妻が車にのる映像が出てる。内戦前にフランスの…

イスラム国「世界同時テロ」

黒井文太郎『イスラム国「世界同時テロ」』KKベストセラーズ、2016 最近の、イラク、シリア情勢の本。パリ同時テロの直後に出ているので、その背景にあるムスリムによるテロ攻撃の拡大の背景を説明する。 ISの戦線は3つ。1つがIS本体が戦っている、イラクと…

ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件・・・そして

「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件・・・そして」、伊藤めぐみ監督、ホームルーム、2013 タイトル通り。2004年のイラクでの日本人人質事件のその後のドキュメンタリー。内容はアホらしい。しかし、このネタを2013年時点で追いかけたのはよい。 人質…

イスラム国「世界同時テロ」

黒井文太郎『イスラム国「世界同時テロ」』ベスト新書、2016 黒井文太郎のシリア、イラク情勢本。この7月に出版されたばかり。 ISの歴史本を兼ねているので、「サラフィ・ジハード主義」を奉じる「テロリスト」のこれまでの歴史を簡単に説明する本にもなって…

イスラームとの講和

内藤正典、中田考『イスラームとの講和 文明の共存をめざして』集英社新書、2016 中東研究者とイスラム学者が、ヨーロッパはイスラムと「講和」すべきだと説く本。ヨーロッパは、ドイツあるいはどこかの国が代表になり、イスラムはトルコのエルドアンあたり…

クローズアップ現代 女性たちの”戦争”

「クローズアップ現代」、 「女性たちの”戦争”~知られざる性暴力の実態~」、NHK総合、2016.3.14 シリアでのIS「性奴隷」の取材番組。基本的に被害者本人のインタビュー。ドイツに難民として逃げている人が対象。 ほとんどが顔は隠しているが、顔出しの人も…

イスラム国の正体

国枝昌樹『イスラム国の正体』、朝日新書、2015 著者は元外交官。エジプト大使館一等書記官、イラク大使館参事官、シリア大使という経歴なので、アラブ屋さんだ。 イスラム国がなぜ急速に勢力を拡大できたのか、実際にイスラム国の「軍」は強いのかという疑…

イスラム戦争

内藤正典『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』、集英社新書、2015 「イスラム戦争」とは、著者が使う言葉で、中東、アフリカ地域の混乱状態は、イスラムに対して偏見を持ち、問題を武力で解決しようとするアメリカ、イギリス、フランスを始めとする欧米諸…

ビンラディン抹殺指令

黒井文太郎『ビンラディン抹殺指令』、洋泉社新書y、2011 オサマ・ビンラディン殺害作戦から2ヶ月で出版された本。 オサマ・ビンラディン殺害作戦のことには最初の部分で触れられているが、内容の中心は、オサマ・ビンラディンのテロリスト、反米活動家とし…

モサド

小谷賢『モサド 暗躍と抗争の六十年史』新潮社、2009 モサドの歴史を短くまとめた本。モサドの誕生時から、主な任務、イスラエルの他の情報機関との関係、関わってきた作戦、アメリカを中心とする他国諜報機関との関係など、おさえるべきところをきちんとお…

核開発 イランの現実

「核開発 イランの現実」、イラン、2007 これも先週、2009.2.27に、NHK BS1の「海外ドキュメンタリー」枠で放送されていたもの。イラン国営放送の英語専門局制作のドキュメンタリー。原題は "War and Peace: The Story of Nuclear Energy" 。 当然、イランの…

イランとアメリカ 対立の構図

「イランとアメリカ 対立の構図」、第1回「断絶の時代」、第2回「改革派の挑戦」、第3回「核をめぐる攻防」、NHK/Brook Lapping、2009.2.23-25 NHK BSで放送された三回シリーズのドキュメンタリー。これは力作である。イラン革命から、ブッシュ政権後期の最…