1年で聖書を読破する

鈴木崇巨『1年で聖書を読破する』いのちのことば社、2016


タイトル通り、聖書を読破する「計画」を示した本。この計画というのは、まず新約の「マタイによる福音書」、「ヨハネによる福音書」、「使徒行伝」を読んでから旧約に移り、最初から最後まで全部読んでから、「マルコによる福音書」、「ルカによる福音書」、手紙、黙示録と読んでいく。

毎週のペースと、その章のおよその内容が書いてあるので、どういうものかという輪郭は知れる。しかし、旧約のモーセ五書より後の部分は基本的にきついわ。

個々のエピソードは知っているところはあっても、通読するのはまた別。確かにサムエル記や列王記くらいまでだったら読めるかもしれないが、それ以後、特に預言書は厳しい。この本にも楽に読めるなどとは一言も書いていないし、むしろ読むのがどう大変かということばかり書いてある。

基本的には、何が何でも聖書を読まなければならないと思っている人で、かつプロ(教会の中の人)ではない人のためのもの。だいたいは信者で、しかし聖書を通読したことはないという人が対象だろう。

しかし、新約だけ読んでいるのでは、キリスト教の中核部分はわからないということはよくわかった。旧約から新約にきちんと順を追って読むことが必要。そうでなければ新約の意味もわからない。この本の指定するペースではムリだけど、ぼちぼちやるしかない。