ゴジラとエヴァンゲリオン
長山靖生『ゴジラとエヴァンゲリオン』新潮新書、2016
ゴジラは54年の初代から、昭和シリーズのことがひととおり書かれた後で、エヴァンゲリオンのテレビシリーズの解説、劇場版、庵野秀明の製作歴が置かれて、終わりのところにゴジラ平成シリーズとミレニアムシリーズのエピソードが来る。
これまで交わっていなかったのように思っていたゴジラと、エヴァンゲリオンが著者のコンテキストで整理し直されており、日本SF史でこの2つのシリーズがどういう意味をもっていたかということがわかる。また庵野秀明がこの時点でゴジラシリーズの1本を監督する意味についても考えさせられた。
自分は特撮ものを一歩劣った分野だと思っていて、それはこの本を読んでも基本的には変わらないのだが、ゴジラシリーズに限定してもこれだけ見るべき作品がある。エヴァンゲリオンも、見ていないものだらけ(映画化作品)なので、見ないといけないわ。
著者の整理は非常に明晰で、過去の膨大な作品をきちんと消化できている。「シン・ゴジラ」を見る前でも見た後でも十分価値がある。