臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」



結局、つづけて2日、行ってきた。昨日、ていねいに見たので、今日はピックアップしてみたいものだけみればよし。行ってみて、非常によかった。

昨日は書き間違えていたが、最初にあったのは、「慧可断臂図」ではなくて、白隠の達磨図。この展覧会の趣旨からすれば、これが本当。で、やっぱり白隠は、押し出しがよく、迫力があってそれでいて親しみやすい。入り口にかけてあるのに、ふさわしい絵。

で、最初のほうにかけてあるのは、達磨図ばかり。それに慧可の絵もある。まあ宗祖なのだから、とうぜんといえばとうぜん。それから臨済。これも宗祖なのだから、とうぜんだが、達磨と違い、臨済は厳しく描かれていることが非常に多い。だいたい、拳固を握っていて、つまらぬことを言う者には食らわせるという感じ。しかし、それは最初からそうだったわけではなく、初期の臨済図には柔和なものもある。臨済禅が大きくなっていく時に、臨済の厳しいイメージもだんだん形成されていったということ。

その後は、鎌倉時代にそれぞれの大寺の開山となった高僧たちの肖像。栄西円爾弁円、蘭渓道隆、無学祖元、無関普門、宗峰妙超、南浦紹明夢窓疎石らの人々。いくつかは、寺で見たことがあるが、これだけたくさん、一つの所で見たことはない。教科書レベルの人々。一休宗純のものもあった。顔を横に向けて、目が正面を向いている肖像はめったにないもの。

別室にあるものとしては、戦国時代の大名や高僧の肖像。豊臣秀吉のよく見る像は、狩野光信の筆だったのね。それに西笑承兌が賛を入れている。狩野永徳織田信長像とか、快川紹喜の自賛の像とか、虎哉宗乙が賛を入れている留守政景像とか、こんなにあるのかというものをたくさん見られた。

仏像と茶道具はざっと流して、屏風や襖絵を見ていたのだが、龍、虎、山水はとにかくたくさんある。あと、如拙瓢鮎図。これもたしか京都のどこかで実物を見たと思うが、将軍義持の思いつきで、この企画に参加していた(させられた?)僧たちも、楽しんでいたのか、苦笑していたのか、どうなのか。この賛が全部読めないとこの絵を楽しんだことにはならないのだが、まあ教養がないので、それはしかたがないことにしておく。

ということで、やはりこの展覧会は図録が必要なものだとはっきりしたので、買ってきた。これはありがたいもの。この規模の展覧会はこれから何度見られるのかがわからない。ありがたや。