プーチンのロシア 法独裁への道

袴田茂樹プーチンのロシア 法独裁への道』、NTT出版、2000

プーチン政権成立当初に書かれたプーチン政権とロシア政治の解説本。時期的に今読むのに適当な本ではないのだが、事情があって読んでみることになった。袴田の持論として、ロシア社会は「バザール社会」「砂社会」であり、西欧諸国の社会とは構造が違っているから、民主主義や市場経済がかんたんに定着することはないという説がここでも展開されている。それは認めるとして、だったら、「法独裁」(普通の用語を使うと「法治国家」)はロシア社会では民主主義と同様に実現するはずがないという結論になるのではないかと思うのだが。タイトルは明らかに不適切だと思う。