経営者、15歳に仕事を教える

北城恪太郎『経営者、15歳に仕事を教える』、丸善、2004

日本IBM会長、経済同友会代表幹事の北城恪太郎が、「私の履歴書」と「経営者論」をいっしょにしたような本を書いた、というもの。これで15歳に理解できるのか?という気はするが、全体としては普通の大人に対してなら非常にわかりやすい。IBMの人事システムがおもしろい。幹部候補には若い段階で目をつけていろんな経験をさせ(急に抜擢などということはない)、その中から少しずつ候補をしぼっていく。巨大な企業は、組織管理の細かいところにまできちんと目を配っていることがよくわかる。また著者の教育論もおもしろい。非常に具体的で実践的。人を育てることにたけた人物だけのことはある、厚みのある議論になっている。