中年シングル生活

関川夏央『中年シングル生活』、講談社文庫、2001

関川夏央の半エッセイ、半小説の中年独身男生活についての書き物。まあさびしいようでもあり、たのしいようでもあり、そのどっちでもあるけど、ただ流されるように日々を送っている感じ。ハードカバーで発行されたのは97年で、元の連載は93年から。関川夏央は1949年生まれだそうなので、今年58歳になってる計算になる。連載当時は43歳あたりから47歳くらいまで。読んでいて妙に身につまされる。中年というのはこういうものかなあ。でも関川夏央は、自由業で金銭的に不自由しているわけでもなく、それなりに友人関係もある人だから、なんだかんだいってもそこそこにめぐまれた中年だろう。まあ幸多かれと祈るばかり。最後に文庫化に際して付け加えられた、阿川佐和子との対談がのっているが、こちらはもはや老境に近づいてきた二人の微妙な心境がうかがえる。でもちょっとほっとする。