新・日本共産党101問

治安問題研究会『新・日本共産党101問』立花書房、2012


警察の初級者向き共産党本。前著、警備研究会『日本共産党101問』立花書房、1988が、2004年の補訂第四版まで改訂されたものを、再改訂して出した直したもの。

「このように、『衣の下に鎧』を着て現体制を暴力的不法行為により破壊しようとしている日本共産党の真の姿をこの機会に是非学びとり、正しく理解して欲しい」という、1988年版の序文はそのまま。だいたい内容も同じで、データを新しくする必要がある部分(選挙結果、党員数、機関紙購読者数など)を訂正しているだけ。

警察の立場としては、「昔も今も全く変わっていない暴力革命の党」ということなので、その路線に沿った記述。すがすがしい。産経の本とは違うところは、共産党の主張については、共産党自身の文書類で典拠を示しているところ。そこは修飾語でごまかさずにちゃんとやっている。問題は、典拠がかなり古く、その後に共産党が修正した部分はぜんぜん反映されていないところ。

警察としては共産党に変わられては困るし、この本は警察官教育のためのものなので、これでよしということ。この本の内容が、共産党の新しい路線や主張をできるだけ反映して、それでいて基本方針を変えずに書かれていれば、本当にすごいと思うが、警察はそこまで労力を投入する気がないのかどうか、あるいは警察も共産党の鏡像ということなのか・・・。

一問一答形式で、2ページで全部の項目が収まるように書かれている。読みやすい。共産党好きな人は楽しめる。最近の共産党の路線を反映した補訂版が早く出るといいな。