アフター・ヒトラー 前・後編

BS世界のドキュメンタリー」、「アフター・ヒトラー」前後編、NHKBS1、2018.1.1


フランスのテレビ局が制作した、第2次世界大戦直後のヨーロッパについてのドキュメンタリー。

これで一番驚いたのは、戦後の東欧諸国でのドイツ人迫害。迫害というには生温い印象。収容所への強制隔離とか、道端に整列させて銃殺とか、顔や背中に鉤十字を描いて隔離とか、戦時中にドイツがやっていたことはそのまま仕返しされている。アメリカ兵が適当にドイツ人捕虜を銃殺しているところもあった。こういうことをされた人たちがドイツに戻っていったのだから、戦後のドイツ人の被害者意識は当然のこと。

他はそんなに驚かないが、やはり存在感があるのはスターリンフランス共産党のトレーズによるスターリン万歳演説が出てくるが、これはまあ当然だろう。東欧だけでなく、西欧諸国の共産党ものびのびとスターリン賛美をやっている。それでこれだけたくさんの支持者が集まっていたから、共産党の鼻息が荒いのも当然。

結局、西ドイツが西側扱いされたのはベルリン封鎖があったから。日本のように家の建て直しは簡単にできないので、爆撃でがれきになったところに人が住んでいる。スターリンのむちゃくちゃがなければ、西ドイツもヒトラーの手先で終わっていたところ。

本で読んだことがちゃんとカラーの映像になっているところがすごいところ。昔の映像はありがたい。