ダイアモンド博士のヒトの秘密 #7

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第7回、「農業は人類に何をもたらしたのか」


農業の起源と影響というおはなし。人間以外の動物で農業を行うのはハキリアリだけ。これも生産を拡大していくことがむずかしい。

ダイアモンドは、ニューギニアで狩猟採集民を見ているので、狩猟採集生活が楽ではないことを説明している。

農業の起源は1万1千年前。農業の起源は、新しいテクノロジーが「発明」されたことではなく、狩猟採集生活の副産物。鞘がはぜない豆を取って帰ったら、たまたまそれが居住地の近くで育ったので、偶然的に農業が始まった。

農業の面積あたり生産性は、狩猟採集生活の100倍から1000倍。人口を増やせる。食料の貯蔵もできるので、分業ができ、支配者や兵士が専業になる。他の集団を征服できるのは農業民。だから農業が発生した後は、農業民が狩猟採集民を駆逐する。

反面、農業の発生は、病気の伝染、余暇の減少、栄養が偏る、単一作物栽培による飢饉のリスク、社会の不平等の拡大、マルサス問題=人口と生産のギャップをもたらす。

狩猟採集社会には不平等はなかったのか。ダイアモンドの説明では、不平等はなかったわけではないが、格差は小さく、不平等の世襲も起こらない。農業社会自体を巻き戻すことはできないが、現在の社会的問題自体が、農業発生から生じているということ。