花図鑑 1

清原なつの『花図鑑』1、早川書房、2004


この『花図鑑』、清原なつのが「大人ネタ」を描くようになった最初のマンガということだが、初出は1990年となっている。まだバブル、30年近くも昔のこと。掲載誌は『ぶ~け』。これもなつかしい。

『ぶ~け』だから、エロといってもそんなに過激なネタはない。とはいえ、この雑誌にちゃんと妊娠やセックスのことが載ったのだから、当時の読者は驚いたはず。作者は、「愛と性のシリーズ」というタイトルをつけられて恥ずかしかったと書いている。

絵柄は、いまの上手な絵と初期の絵の中間っぽい。なにを描いてもかわいいけど、ちょっと線がなよなよしている。

あとがきマンガがついていて、これはハヤカワJA文庫になった2004年くらいに描かれている。これを読むと漫画家を休業状態になってからは大学の実験助手のバイトをしていたとある。とり・みきが「研究の道」と書いているのは正しくないとも。実験助手のバイトで食えることはないと思うので、主婦兼業かなあ。十分うらやましい。

おじいさんが19歳の学生と知り合って結婚する話があり、うらやましい。それにしてもかんじんなところでは、おじいさんのはずが30歳くらいに描かれている。作者はとにかくかっこいい男が好き。