人魚姫と半魚人王子

清原なつの『お伽ファンタジー 1 人魚姫と半魚人王子』小学館、2009


清原なつのは、Kindleでいくらでも読めることがわかったので、買ってしまった。これはある意味、『花岡ちゃんの夏休み』の「その後」みたいなもの。

セックス要素が入った、「王子様とお姫様」奇譚集だが、自分が奇妙すぎて相手が見つからないお姫様が、あまりにも変すぎる王子様を見つけるという話の骨子は同じ。「花岡ちゃん」と違うのは、こっちは大人の恋愛だからセックスが入るということと、そうやってつながっても、それでハッピーエンドにはなっていないこと。

王子様なので、異形ではあっても、ドロンと化けてかっこいい姿になる。かっこよくなっても、変であることには変わりはないけど、やっぱり美男美女の組み合わせでないと、ロマンスにならないのね。清原なつのの絵柄は、大人をかわいく描けるので、エロさと子供っぽさをちょうどよく混ぜ合わせている。いま、まだ50代後半くらいのお年か?これくらいきちんと成熟できている人はかんたんにはいないと思う。