ダイアモンド博士のヒトの秘密 #8

「ダイアモンド博士のヒトの秘密」第8回、「”進化”から見た文明格差」


この回は、文明の格差について。ダイアモンドの得意技。

文明の格差は、基本的に農業が起こった時期の格差に依存していて、この理由は、栽培や家畜化が可能な動植物は限られているから。動物のうち、家畜化できるものは十四種しかなく、中でも、牛、馬、ヤギ、羊、豚が重要。これがないところでは、農耕の動力がない。

肥沃な三日月地帯は、実際には肥沃ではなく、この地域に5大哺乳動物が揃っていたから、農業を始められた。

植物でも、小麦三種、大麦、稲、トウモロコシが非常に重要で、これらの中でもタンパク質の量、品種改良の難易度が違う。小麦は、栽培された当初から今の形に近かったが、トウモロコシはそうではなかった。

家畜でも、家畜化されたものと野生のものでは脳の大きさが違い、家畜化されているものはバカ。生存のことをあまり考える必要がないのでそうなる。

あとは気候。東西交流は簡単にできても、南北交流は難しい。

ユーラシアが征服戦争に勝てたのは馬があったから。後は伝染病の伝わりやすさ。ヨーロッパの優位は肥沃な土壌と降水量。中国はこれではヨーロッパと同じだが、大陸の形状によって、他地域に進出する動機が薄かった。