最果てにサーカス 1

月子『最果てにサーカス』1、小学館、2015


これは、中原中也小林秀雄長谷川泰子の三角関係話。このネタは、たくさん書かれているし、マンガでも、『含羞』があるので、そのひとつということになるが、これはよく描けている。

基本的には、小林秀雄中原中也へのあこがれ、尊敬、コンプレックスなどが核になっているので、そこが描けているということだが、この二人が飲み屋で文学論をやるくだりが、非常によく(事実かどうかはよく知らないのでわからない)、少なくとも作者はきちんとわかっている方。

3巻完結なので、サクッと読めるだろう。絵柄は、うまいわけではないが、このネタと登場人物には非常に合っている。ファム・ファタルがらみの三角関係、たくさんあるからネタには事欠かないと思うが、マンガでこれを取り上げているものも、山程ありそう。