シンプル ノット ローファー

衿沢世衣子『シンプル ノット ローファー』太田出版、2009


衿沢世衣子の昔のマンガ。といっても、2009年なので、デビューしたてというわけではなく、「ちづかマップ」の1年前でしかない。

女子高生活もの。「うちのクラスの女子がヤバい」は、共学校だったので、恋愛要素があったが、これにはない。女子校の日常だけだけど、これは詩の世界。

後の作品には、漢詩がそのまま引用されていたりするが、この作品には詩の引用そのものはないにしても、詩の積み重ねのようなもの。ストーリーなど大してある必要はなく、絵とセリフの切り取り方だけ。

センスのある人はこれでも気づいたかもしれないが、もし最初にこの作品を読んでいたら、それほど引きずられなかったかもしれない。「ちづかマップ」は、方向性を変えてみただけで、元はいっしょだと思うが、それでもこのくらいは違う。

奥付がないので、電子版だけだといつ出版されたのかもわからない。せっかく電子版にするのだから、そのくらいのことは手抜きしないでつけておいてほしい。