水色の部屋

ゴトウユキコ水色の部屋太田出版、2014-15


いま、『夫のちんぽが入らない』のマンガ版を連載しているゴトウユキコのマンガ。かなりエグい作品。

母子家庭の高校生男子と半分終わっているような女子、男子の母、男子と女子の同級生あたりが登場人物。これらはほとんど男女関係で、レイプとか、虐待とか、ハメ撮り動画を流すとか、いろいろやり放題。主人公の男の子がこの状態をリセットするため、というかこれもある意味凶暴な本性の発露だが、強烈な行動に出る。

しかし最後まで見ていると、この人たち、結局何一つ変わらない。人間の本性など、たとえ大事件であろうとかんたんに変わることはないものなので、多少のことでは動かないもの。怠惰も依存も腐れ縁も何一つ変わらない。登場人物はそもそもこの状態を変えようとは思っていない。

作者はこの作品が新境地だと言っているが、もともとこういう人だろう。『おとちん』のコミカライズをする人としては、非常に適切な人。あちらもおもしろくしてくれるといいと思う。