ど根性ガエルの娘 2, 3

大月悠祐子ど根性ガエルの娘』2,3、白泉社、2016, 2017


ど根性ガエルの娘』の2巻と3巻。サクッと読めたが、これは1巻よりさらにインパクトが強い。1巻では、ひたすら夫婦関係のよさに焦点が当たっていたのだが、この奥さん(つまり作者の母)は、夫との関係のトラブルを親子関係に持ち込んでいたというもの。

話のパターンが3巻の途中から違ってくるのだが、これは、最初の連載誌での編集の方針が「ハッピーエンドにしてくれ」というものだったからだということ。実際はハッピーエンドどころか、家族関係はむちゃくちゃで、作者と母親の関係もかつては破綻していた。現在になって、やっと修復に持ち込んできたのみ。

父親はマンガ家引退後も、著作権収入があったのだが、それも当然ギャンブルにつぎ込んでしまい、相変わらずひどい生活。そういえば、「ひとつ屋根の下」で、江口洋介が、ピョン吉のTシャツを着ていた。これを読んで思い出した。いくら収入があっても、ギャンブル狂にはあるだけムダだが。

しかも、最初の連載誌からは打ち切りを通告され、最終回については作者の方針と違うものを提示されたので、連載は作者の側が打ち切って、原稿を引き上げてしまい、それを白泉社が拾って、連載を継続した。電子版で読んでいるので、そこがよくわからなかったのだが、1巻の対談で、連載再開おめでとうと言われていたのはそういうこと。

読めば読むほど闇の深い話。3巻では話は終わっていないので、次も出るだろう。時期的には半年かかるだろうから、今年の終わりか、来年のはじめ。気長に待つしかない。