まじめな時間 1-2

清家雪子『まじめな時間』1-2、講談社、2012


幽霊ものマンガ。主人公の女子高生、一沙は、車にはねられて頓死。そのまま霊になってしまう。死んだ人は霊になり、成仏するまでそのへんに適当にただよっている。霊は、生きている人の世界を見ることができるのだが、話しかけることはできない。ただし、特別に霊感が強い人に対しては、話はできなくても、その気配を感じ取らせることはできる。

霊が、自分が死んだ後の世界を見ることで、自分の死のプロセスを実感していくおはなし。霊の中でも、強い思いが残っているものは、怨霊として、ドロドロと溜まったままでいる。

生きている人、霊、怨霊、成仏した霊の世界は、緩くつながっていて、それをつないでいるのは、それぞれの人や霊の思いの強さ。人間、死ぬのもたいへんなのだ。

2巻の巻末に、2000年に発表された「固陋」という作品が載っているが、これも良作。しかし、この清家雪子という人、ただものではないと思うが、生きていることがしんどそうな人。長生きしてくれるといいけど。