うちのクラスの女子がヤバい #2

衿沢世衣子『うちのクラスの女子がヤバい』2、講談社、2016


このマンガ、1巻だけ買ってその後を読んでいなかったのだが、3巻で完結していた。それなら読んでもいいかと思って、2巻を読んだら、これが非常におもしろい。

このマンガの設定、「無用力」という役に立たない超能力がある、無用力を持っているのは女子だけ、しかし学校は共学なので、そこに恋愛も含めた微妙な作用が・・・というもの、非常に生きている。

どのエピソードもいいが、自分としては、「杣川、春宵一刻を知る」が好き。この話、唯ガ崎巻奈というガングロっぽい女の子(やたらモテる)が、困惑すると髪に花が咲くという無用力があるという話。そこに変に派手な服とサングラスの男子の杣川が口説きに来る。この口説きの結果がこの話の結末になっているが、タイトルの「春宵一刻」、蘇軾の「春夜」の一節から取っている。

「春夜」の「春宵一刻直千金」、季節の詩みたいにきこえるけど、これはもともと男女関係の話。これを上手にとってきている。話の中に蘇軾の説明はまったくなく、タイトルでわかる人だけわかれというもの。

作者のストーリーの力、これはすごい。短編で能力を発揮する人。長編を読む時間がないので、これはありがたし。