いつまでもデブと思うなよ

岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』、新潮新書、2007

岡田斗司夫はいつのまにか激やせしていたので、どういうふうにやせたのかと思って読んでみた。帯には著者がもうダブダブになってしまった昔のズボンをはいて、いまの腹囲がどのくらい縮んだかを強調する写真がついていて、実際の効果をビジュアルに見せてくれている。
最初のところの「見た目主義社会の到来」という部分はちょっと論旨にムリがあるような気がするが、まあそれはダイエットの動機付けの一部と考えて読み飛ばす。で、肝心のダイエットの方法だが、非常にシンプルなもので、自分が食べ、飲んだものを細大漏らさず記録し、それを習慣化したら、次に決めたカロリー(著者の場合は1500)に摂取量をコントロールするというもの。「どうやってこのやり方を続けていけるか」というところに力点がかかっていて、ダイエットにつきものの、挫折→リバウンドというプロセスに落ち込まないためのていねいな配慮がされている。
無理なダイエットは必ず失敗するから、どうやってムリなく続けていくかが大切、という主張には納得。食べたものとカロリー量を記録するという方法はかんたんに手をつけられるので試してみる気になる。いちばん感心したのは「いったんダイエットが生活習慣になってしまうと、その後は太っていたときのような欲望自体が起こらなくなる」というところ。欲望のコントロール、できるといいな。