ザ・ギフト・オブ・ミュージック

ザ・ギフト・オブ・ミュージック」(ドキュメンタリー)、ホラント・ホールフェルト監督、アメリカ、1993

レナード・バーンスタインの生涯をつづったドキュメンタリー映画バーンスタインは1990年に72歳で亡くなったので、死後3年してから生誕75周年を記念してつくられたということになる。
若い頃から、晩年までのいろんな映像が出てくるが、映像記録の残っている名指揮者はたくさんいたとしても、これほど多彩な映像を残している人は他にはいないだろう。指揮活動、ピアノ演奏のほか、作曲、テレビ出演、教育、社会活動。何をやってもフィルム映りのいい人で、巨匠でかつスター性がある指揮者という存在がなくなってしまったことをしみじみ感じさせる。映像の中では、クーゼヴィツキーとの若い頃の出会いを語っているところと(ほんとになつかしそうだ)、ウィーンフィルとのリハーサル(楽団員に非常に気を使っていることがよくわかる)、「ヤング・ピープルズ・コンサート」の思い出を語るところ(大変なエネルギーを使う仕事だったことがわかる)が印象深い。