執念の蛇

「執念の蛇」、島田竜三、近藤美恵子主演、三隅研次監督、大映、1958

またまた大映ヘビ映画。こっちでは毛利郁子は完全な悪役。大店の主人は娘の近藤美恵子の婿に手代をとろうとするが、実は手代は娘の踊りのお師匠さんの毛利郁子ともデキていた。毛利郁子はお店の主人が昔別の女に産ませた娘になりかわって、ついでに娘を殺して手代と一緒になろうとして悪人どもを引き込んで大活躍。ところが実は主人が昔産ませた娘というのは、殺された娘の忠実な女中で、毛利郁子はこっちも殺そうとするのだが、死んだ娘が信心していた竜神様のおつかいのヘビたちにとりつかれてあえなく最期をとげるのであった、てな話。ヘビがにょろにょろ毛利郁子の首にまきついてるし、殺した娘の亡霊が毛利郁子を沼に引きずり込む場面では、ヘビがじゃんじゃんからだじゅうに這いまわって大変。ヘビも水の中で苦しいんじゃないのか?「白蛇小町」に比べると、こっちのほうがはるかにヘビを満喫できる。毛利郁子の堂に入った悪役ぶりもさわやか。