忍びの者 霧隠才蔵

「忍びの者 霧隠才蔵」、市川雷蔵、磯村みどり主演、田中徳三監督、1964

忍びの者シリーズ四作目。市川雷蔵主演は同じでも、役柄は霧隠才蔵になり、前作までとの話の連続性はない。石川五右衛門が信長の伊賀攻めから、大阪夏の陣まで活躍するというわけにはいかなかったらしい。敵も秀吉から、今回は家康に変更。中村鴈治郎の家康は重々しいが、関西弁を話しているのはおかしいよ。それから城健三郎が真田幸村役で、市川の味方に回っていたのでびっくり。二作目までを見た人は混乱したはず。
幸村の命をうけて、家康暗殺を図る真田方の忍者たちの活躍がハイライト。このあたりの場面はなかなかカッコイイ。しかし霧隠以外の忍者はここで全滅してしまうので、夏の陣での真田十勇士の活躍、というお話はない。それにしては夏の陣の撮影はけっこうお金がかかっていて、なんかムダな感じが…。ラスト、霧隠と真田父子は生きたまま大阪城から脱出することになっている。五作目への布石ですね。音楽は伊福部昭だが、出来はまあまあという印象。