蜘蛛巣城

蜘蛛巣城」、三船敏郎山田五十鈴主演、黒澤明監督、東宝、1967

話はまんまマクベス。よって、驚くようなエピソードとかは別になし。しかし役者の演技と巧みな演出で、見せ場は十分。妻、浅茅役の山田五十鈴にはなんかとりついてるのではないか?ヘタな怪奇映画とかよりもコワイ。最後の発狂シーンは、もう完全にイッちゃってる。どうも山田五十鈴というとあまり昔の映画を見ていないせいか、狂乱する奥方様のイメージしかわいてこない。三船敏郎は所作の一つ一つに侍がしみこんでいる。一番いいのは最後に山が動き、義照の兵が攻め寄せてきたときのあわてぶりと死に様。矢がスパッと真横から首を貫く死に様はほかでもいろいろ見るが、これが元祖か。モノクロの画面が話の暗さをひきたてているところもなんともいえない。