エトワール

「エトワール」、(ドキュメンタリー)、ニルス・タヴェルニエ監督、フランス、2000

パリ・オペラ座バレエ団のドキュメンタリー映画。タイトルのエトワールは、このバレエ団のトップダンサーの称号。とにかく生活のすべてをバレエにささげているという人たちのおはなし。付属のバレエ学校からガンガン鍛えられ、晴れて入団しても練習と本番の繰り返し。しかも途中でどんどん振り落とされていく。バレエ学校の校長が14年で百数十人を育てたといっていたが、バレエ学校からしてそのくらいの少数教育だ。自由時間もろくになく、夜遊びなどはもってのほか。そういうことはすぐに体調や体型にひびくらしい。結婚や妊娠すらバレエには邪魔といっている人も出てくる。
しかもバレエダンサーの現役期間は短く、男性で45歳、女性で40歳で定年。引退後は年金が出るようだが、引退後練習をすぐにやめてしまうと関節その他を悪くするとのこと。それくらい厳しく練習しているのだ。もう人生かバレエかという次元ではなくて、人生そのものがバレエになっている人たち。芸の道には果てしがない。ただただ脱帽。