日米関係とマスメディア

石澤靖治『日米関係とマスメディア』、丸善ライブラリー、1994

この種の本としては出版年が古いものを読むのはちょっと問題なのだが、それでも読んでおいて損はなかった。特に日本とアメリカでのジャーナリストの養成過程、マスメディアの位置づけと、日米の報道姿勢の違いの部分は今でもそれほど大きな変化はない部分なので、あらためて勉強になった。
メインの内容はけっこう分析的で、「日米間の報道摩擦はどういう要因で起こるのか」に焦点があてられている。この部分は日米経済摩擦が大きな問題だった90年代前半のケースを多く取り上げているので(それだけではないけれど)、同じ枠組みが今でも使えるのかどうか、判断に迷う。摩擦自体が最近でははっきりしなくなっているので、それも含めて再検討が必要だと思う。