裁判官の爆笑お言葉集

長嶺超輝『裁判官の爆笑お言葉集』、幻冬舎新書、2007

実はタイトルがどうも気に入らなくていままで読んでいなかったのだが、読んでみてその先入観は間違いだとわかった。ただ、タイトルはややミスリーディングで、内容は笑えるものばかりではない。けっこうじわっとくる「お言葉」もたくさん収録されている。裁判官が判決文以外で法廷で話す説諭、質問、付言といったものを集めてあるのだが、右ページに「お言葉」が大きな活字で載せられ、左ページに事件の内容や背景が説明される。見開きで1セットになっており、非常に読みやすい。またいろんな事件(ほぼ全部が刑事裁判だが)が取り上げられていて、社会にいろんな事件が起こっているんだなあ…という息抜きにもたのしめる。法廷傍聴本は最近いろいろ出てけっこう売れているようだが、ネタの集め方だけでなく、切り取り方も大事だなあと再認識させられた一冊。