憲兵とバラバラ死美人

憲兵とバラバラ死美人」、中山昭二主演、並木鏡太郎監督、新東宝、1957

東宝憲兵シリーズ。何年か前に「憲兵と幽霊」といっしょに見たのだが、今回NECOで放送されたのはなぜかこっちの一本だけ。おどろおどろしいタイトルのわりに、内容はふつうの探偵もの。仙台の歩兵連隊では部隊がシナに出征した後、井戸から女の死体が上がる。しかも女は妊娠中だった。地元の憲兵隊が捜査にもたつくところに、東京憲兵隊から小坂憲兵曹長(キリヤマ隊長中山昭二)が捜査にやってくる。しかし、井戸水が臭いといいながら、みんなで飲むな。普通臭いだけかいで、捨てるだろ。そんなことをみんなでやってるほうが気持ち悪いよ。キリヤマ隊長は、絵に描いたようないい人で、宿屋の美人の女将との間にほのかな恋が芽生えたりする。それにいかにも悪人顔(憲兵と幽霊のほうではほんとの悪人)の天知茂はただのひっかけでがっかり。あんまりえぐい話もないし、いまいちおもしろくない。せめて「憲兵と幽霊」くらいエグエグの話にしてくれなくては見ているほうもたのしめないよ。