きょうの私はどうかしている

越智月子『きょうの私はどうかしている』、小学館、2006

なんでこの本を借りてきたのか、よくわからない。図書館で予約していた本が届いたという連絡が来たので、借りてきたらこの本だった。しかしなぜこの本を予約したのか、どうして知ったのか、まったく思い出せない。だんだんボケてきているのか?しかし読んで損したわけではないので、まあいいことにしておく。
短編集で、主人公は全部40近くの年の女。付き合っている男への不満とか、母や父へのさめた視線とか、日常生活のへりにこびりついている澱みとか、そんな感じの話でできている。最初の「取り扱い注意」を読んで本をぶん投げようと思ったが、その後の話はけっこうおもしろく読めた。最後の「見る」は、姪をダシにして男をひきつけようと思った女が、その男が姪のほうに興味を示したことにキレる話で、ちょっと読後感がすっきり。ときどき出てくる九州弁がいい味出してる。
これが処女作ということだが、文章やストーリーの作りはうまい。